ブラジルに多い15の名字とその由来

ブラジル名前の由来

日本で最も多い名字は「佐藤」で、「鈴木」「高橋」が続きます。

では、ブラジル人に最も多い名字が何だか想像つきますでしょうか?

雑誌「Super interessante」がブラジルでよく見かける名字ランキングを15位まで紹介していましたので、この記事ではその内容を紹介します。

名字の発生

ブラジルの名字を紹介する前に、ブラジルに入植したポルトガル人がどのように名字を使い始めたのかを知っておく必要があります。

ヨーロッパで名字が使用されるようになった当初、名字は現在よりも自由につけられていました。

名字が使われるようになったのは、ファーストネームだと誰かと被った時に区別がしづらかったからなんですね。

多くの人々は「職業」を名字にしましたが、ブラジルに多い名字の多くは「住んでいた場所」に由来するものが多いです(後述)。

他にも、「身体的な特徴」、「宗教」に由来する名字も多く見られます。

それでは、ブラジルの名字ランキング(15位まで)をご紹介しましょう。

IBGEによる公式の統計は無い為、ここではサンパウロ州の2013年の電話帳から集計されたランキングである点、ご了承ください。

筆者が知っている有名人の写真も合わせて載せております(写真が無い名字については、有名人が思い当たりませんでした。すみません…)。

1.Silva(シウバ)‐ポルトガル由来

ローマ帝国時代において誕生した名字と考えられています。ポルトガル語では、「Serva」と同意語で、その名の通り森林地域に住む人々が使い始めたとか。

もともとポルトガル人に多い名字だった他、アフリカから連れてこられた奴隷にも「Silva」という名字が与えられることが多かったこと、ブラジルに新しい人生を求めて渡ってきた移民が利用したことから、ブラジルで最も多い名字となったようです。

有名人:Luiz Inácio Lula da Silva(元ブラジル大統領)

2.Santos(サントス)‐ポルトガル由来

カトリック教会は11月1日を諸聖人の日(o Dia de Todos os Santos)と定めていますが、サントスは11月1日に誕生した人に与えられた名前でした。

コンベルソ(=イベリア半島においてユダヤ教からカトリックに改宗した人)が異端審問官の迫害から逃れるためにもこの名前が使われました。

他にも、コンベルソやイスラム教徒の名字として動植物の名前がよく使われました(例:Leão(ライオン)、Carneiro(羊)、Pinheiro(松)など)

有名人:Silvio Santos(テレビ局SBTの所有者)

3.Oliveira(オリベイラ)‐ポルトガル由来

その名の通り、オリーブの木を沢山所有していたポルトガル人によって利用されたのが誕生の由来とされています。

有名人:Paola Oliveira(女優)

4.Souza(ソウザ)‐ポルトガル由来

ラテン語由来の言葉で、ポルトガル語では「Seixos(石ころ)」という意味があります。地名に由来する名前で、北方ヨーロッパ民族である西ゴート族の一族の名前に由来しています。

有名人:Tomé de Souza(初代ブラジル総督)

5.Lima(リマ)‐ポルトガル由来

スペインとポルトガルを流れるリマ川に由来すると考えられています。「リマ」というのは、「忘却」を意味する言葉で、リマ川を渡ったものは記憶を失うという言い伝えがあるそうです。

有名人:Gusttavo Lima(歌手)

 

6.Pereira(ペレイラ)‐ポルトガル由来

ポルトガル北部にある12世紀頃に作られた「梨の庭園(Quinta de Pereira)」に由来すると考えられています。Peraというのは果物の「梨」です。

7.Ferreira(フェヘイラ)‐スペイン由来

「Ferro(鉄)」が採取できる場所に住む人々が使用したという由来があります。

8.Costa(コスタ)‐ポルトガル由来

その名の通り、「Costa(海辺)」に住む人々が付けた名前です。

9.Rodrigues(ホドリゲス)‐ポルトガル・スペイン由来

Rodrigo(ホドリゴ)というファーストネームは、ブラジルで人気があります。ゲルマン語Hrod-rich(=栄光に満ちた)に由来するそうです。

Rodriguesというのは、「ホドリゴの息子」という意味です。アイルランド人が、「Mac」「O」を付けたり、古フランス語の「Fitz」などと同じようなものですね。

Rodriguesといえば、真っ先に頭に浮かぶのは、Fado歌手の「Amália Rodrigues」です(ブラジル人ではなく、ポルトガル人ですが…)。

10.Almeida(アルメイダ)‐ポルトガル由来

アルメイダと聞くと、筆者はドラマ「24-トゥエンティフォー」のトニー・アルメイダを思い浮かべてしまいます。

ご存知のように、かつてイベリア半島はアラビア人に支配されていた時期があり、「アルメイダ」もアラビア語に由来します。

「Al」は冠詞で、アルメイダをポルトガル語にすると「A Mesa(=机)」。

平原や高原に住む人が使用した名前と考えられています。

余談ながら、ポルトガル語には他にもアラビア語由来の言葉が沢山ありますので、興味があれば下の記事も読んでみてください。

アラビア語に影響を受けたポルトガル語

11.Nascimento(ナシメント)‐ポルトガル又はオランダ由来

ナシメント(誕生)という奇妙な名前は、ブラジルがカトリックの国であることを思えば由来が見えてきます。

そう、ナシメントは「キリストの誕生」に由来します。

12月25日に誕生した赤子につけることが多かったといいます。

有名人:Milton Nascimento

12.Alves(アウベス)-ポルトガル由来

Álvares(アルバレス)の省略形で、Rodrigues同様に「Álvaro(アルバロ)の息子」という意味があります。「Alvar」は馬の品種のひとつであり、馬が沢山いる場所に住む人が名乗ったのが由来であると考えられます。

有名人:Daniel Alves

13.Carvalho(カルバーリョ)-ポルトガル由来

こちらはその名の通り「馬(カルバーリョ)」に由来します。「サントス」同様にコンベルソが迫害から逃れるためにつけることの多かった名前です。

「サンバの母」として知られる、Beth Carvalhoが有名です。

14.Araújo(アラウージョ)

スペイン北部、ポルトガルとの国境沿いのガリシアの貴族が使用したことに由来。

有名人: Cristiano Araújo(セルタネージャ歌手)
2015年に交通事故で無くなり、TVのニュースで話題になっていました。

15. Ribeiro(ヒベイロ)

ラテン語で「小川」を意味する単語ripariuに由来。川辺に住む人々により使用された名前です。

余談①食べた人肉の分だけ名前が増える?

かつてブラジルの先住民には人肉を食べる部族がいました。彼らは誰かを殺して食べると、殺した相手の名前を自らの名前に追加したそうです。つまり、長い名前を持つ者の方が沢山人を食べたことを意味し、名前の長さが勲章のような機能を有していたそうです。

余談②ブラジル皇室の長い名前

ブラジルの初代皇帝のペドロ一世は15もの名字を持っていました。この名字は、祖先に敬意を表して、両親、祖父母、叔父叔母などの名前を名字として加えたといいます。

ブラジルで最も「長い名前」とは?

余談③「唐木」の由来

筆者の名字も、しばしば珍しい名字だと言われますが、筆者の地元(長野県伊那市)ではわりと見かけました。『日本姓氏語源辞典』なるものによると、伊那市西春近の小字(こあざ)から発祥したようです。

ちなみに、「唐木」というのは『大辞林』によると、「紫檀(したん)・黒檀・タガヤサンなど熱帯産の銘木。中国を経由して輸入された。とうぼく。」とのことです。



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