ブラジルの有名霊媒師「神のジョアン」がセクハラで逮捕

ブラジルのトンデモナイ話

2018年12月、ブラジル・ゴイアス州に住む霊媒師ジョアン・テイシェイラ・デ・ファリア(76歳)のセクハラ容疑が世間を沸かせました。

写真はウィキペディアより引用。

この記事では、「神のジョアン(João de Deus)」と呼ばれるこの男が、どのような人物で、いかなる手口でセクハラを行っていたのか、逮捕までの顛末をご紹介します。

VIP御用達のスピリチュアル・カウンセラー

ジョアンは独特なスピリチュアル・ヒーリングを行うことで、ブラジルに限らず世界中から信者を集めていました。ゴイアス州にて、イエズス会の創立者の名前を冠した「イグナチオ・デ・ロヨラ教会」という宗教団体を運営しており、「魂の癒し」と称して、多くの人々へ霊媒術などを行ってきました。

霊媒セッションへの参加は無料ですが、参加者には「トケイソウ(passiflora)」と呼ばれる薬を販売して利益を得ていたようです。また、セッションの参加者に無料でスープを配るなどしていました。

ジョアン曰く、30人以上の「医者の魂」が彼の体に憑依し、「癒しの奇跡」を現出さることができるということです。

多くの有名人も彼のヒーリング・セラピーを受けています。例えば、2009年には第36代ブラジル大統領のジウマ・ルセフ、2011年にはTV司会者のシュシャや第35代ブラジル大統領のルーラがセラピーに訪れています。

他にも、彼を訪問した有名人としては、オプラ・ウィンフリー、ナオミ・キャンベル、アエシオ・ネーベス、クラウディア・ハイア、ロナウドなどが居ます。

ジョアンを主役にした英語のドキュメンタリー映画も2本制作されています。

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「O Globo」紙の報道が、事件を明るみに

VIP御用達のスピリチュアル・カウンセラーであるジョアンですが、ブラジルの新聞「O Globo」の報道によると、彼がセッションにおいて、信者の女性に対して性的犯罪を行っていたことが明らかになりました。

約10名の女性がジョアンの儀式後に個室に呼び出され、性的被害を受けたことを訴えましたが、これは氷山の一角であり、その後の調査では、被害者は300人以上にのぼることが明らかになりました。

性犯罪の手口

インタビューに答えたオランダ人女性によると、彼女は、過去に経験した性的虐待への癒しを求めて、2014年にジョアンの教会の存在を知りました。ジョアンの教会で2回目のグループ・セッションに参加した際に、ジョアンから「あなたは特別な存在だ」と告げられ、パーソナル・セッションに招待されました。

パーソナル・セッションにおいて、ジョアンは女性に「なぜあなたはここに来たのか」と尋ねると、彼女の匂いをかぎ、彼女に仰向けになるように指示しました。ジョアンは彼女の手を自らの股間にもっていき、それを動かしました。ジョアンは棚を開けて、宝石を取り出すと、「好きなものを選びなさい」と言いました。次に、彼女を洗面所に連れていき、そこで彼女を強姦しました。

彼女は、ジョアンが霊媒師として十分に訓練されている人であると信じ切っていたので、強姦されても逃げも叫びもしなかったそうです。その後も彼女は、ジョアンの補助者として集会に参加し続けました。

彼女が、教会を離れてしばらくすると、妊娠していることが発覚しました。しかし、彼女はその事実を四年もの間、受け入れることができませんでした。彼女は、この悩みを明るみに出すことにより、ジョアンや信者らが彼女に悪い霊を送ることを恐れていました。

しばらくして、彼女はこの新しいトラウマを何とかしようと決心し、フェイスブックでこの話をシェアすることを決めました。

被害を訴えるオランダ人女性

このオランダ女性以外にも、被害に遭った女性たちは同様の手口で、グループ・セッションで選別され、「あなたは特別だ」とささやかれ、パーソナル・セッションを提案されたと語りました。性的虐待のあと、宝石を被害者に渡すというのも、同様の手順でした。

あるブラジル人女性は、乳がん手術の後にジョアンのもとを訪れました。ジョアンは「ほとんど回復しているが、まだ少しだけ足りない」と言い、いつもの「パーソナル・セッション」を実施したそうです。この時、ジョアンは「あなたの病を治療するため、あなたの井戸の底に入る」と語ったといいます。

ジョアンに強姦された際、女性は教会にいるジョアンの信者たちに聞こえると迫害されるのではないかと怖くなり、叫び声をあげることができなかったそうです。

被害に遭った女性の中には、ジョアンの口車にのせられ、他の被害者の声を聞くまで、自分が被害にあったことに気が付いていない人もいました。

教会には、ジョアンに対して反抗するような発言をしようものなら、他の信者からつるし上げられるような雰囲気があったようです。

「悪魔のジョアン」に裁きの鉄槌が下る

2018年12月7日に放送されたTV局グローボの番組「Conversa com Bial(ビアルの部屋)」で、ジョアンの被害者たちがジョアンから受けた性的暴行について公表したことをきっかけに、燎原の火のごとく瞬く間に広がり、ブラジル中に知られることとなりました。

報道を受けて、ゴイアス州とサンパウロ州では被害の告発専用のタスク・フォースを立ち上げ、捜査に当たりました。

12月12日には、被害者の若い女性がトラウマによる精神的苦痛により自殺しています。同日、ゴイアス州政府はジョアンの逮捕状を出しました。レポーターからの質問に対して、ジョアンは無実を主張したといいます。

タスク・フォースには300件以上もの被害が寄せられました。ジョアンは実の娘のダウバ・テイシェイラからも訴えられています。ジョアンは実の娘が10~14歳の時に性的虐待を行ったようです。(ついでながら、ジョアンには11名の子供がいますが、全て腹違いの子供とのことです)

12月14日、ゴイアス州の裁判所は数百名もの女性にセクハラを行った罪で、ジョアンに有罪判決を下しました。その後、一時は逃亡説も出ましたが、16日にジョアンは自首しています。

現在76歳のジョアンは、今後、惨めな晩年を送り、罪を償うことになるのでしょう。

最後に、「イグナチオ・デ・ロヨラ教会」のウェブサイトに掲載されている、ジョアンのメッセージを紹介して、この稿を終わります。

私は、普通の人間です。神の導きでこの教会を設立して35年以上が経過しました。

私には癒しの力はありません。癒すのは神です。神の限りない慈愛が、我々の兄弟を癒す力なのです。私は、偉大な神の力を仲介する者に過ぎません。

私は、ガリンペイロ(宝石鉱夫)でしたので、宝石について詳しく知っています。宝石は輝く前は、単なる石ころですが、研磨して磨くことで美しい光を放ちます。

神の子たちは、貴重なダイヤモンドと同じですが、本来の輝きを得るためには痛みや苦難を乗り越えなければなりません。

世界は大きく変化しており、その結果、多大なる痛みを生み出しています。しかしながら、偉大なる神を信じることで、我々は力強く持ちこたえることができます。

最後に、ヨハネによる福音書15章12節を紹介します。「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である」

霊媒師
ジョアン・テイシェイラ・デ・ファリア



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