ブラジルで人気のアラブ名「ファーティマ」の由来

ブラジル名前の由来

世界史の教科書で、「ファーティマ朝」という北アフリカのイスラム王朝の記述がありました。ブラジルで聞いたことのある名前で気になったので、これについて少し調べてみました。

ファーティマ朝は、シーア派のイスラム教徒が909年に北アフリカに樹立した王朝です。中東のシリアにも進出しましたが、成立から約260年後の1171年にエジプトの英雄サラディーンに敗れ、滅亡しました。

ファーティマ朝の名前は、イスラム教の預言者マホメットの娘「ファーティマ」に由来しています。イスラム教について勉強した方なら、マホメットの従弟のアリー(男性)の子孫が「シーア派」になった話はご存知かと思います。ファーティマは、そのアリーと結婚しました。

ファーティマは、マホメットの子息で「唯一」マホメットの血筋を残すことができた娘で、キリスト教の「聖母マリア」に似た崇拝を受ける存在でもあります。冒頭で紹介したファーティマ朝は、ファーティマの末裔(すなわち、預言者マホメットの血筋を引くもの)であることを主張したことから、そのような名前が付けられたわけですね。

ところで、「ファーティマ」と聞くと、ブラジル在住者の方なら「おや?」と思いませんか?

ブラジルにも、「ファーティマ」という名前の女性がいます。IBGEの統計によると、ファーティマという名前の女性はブラジルに約20万人おり、50~60年代に流行った名前であることがわかります。TV局グローボの司会者ファーティマ・ベルナンデス(Fátima Bernardes)などが有名です。

ファーティマは、冒頭でマホメットの娘を紹介したように、アラブ由来の名前です。この名前には「子息を神へと導く女性」といった意味があるそうです。

マホメットが自身の娘の名前を「ファーティマ」としたことから、イスラム教徒の中では非常にポピュラーな名前のひとつとなりました。

イベリア半島がイスラム教徒に支配された影響から、ポルトガルにおいても「ファーティマ」の名前が見られます。ポルトガルの中部には、「ファーティマ」という名前の町も存在します。この町の名前は、レコンキスタの時代、ポルトガルの騎士に誘拐されたムーア人の姫の名前に由来しています。その後、ムーア人の姫は誘拐犯であるポルトガル人騎士と恋に落ち、キリスト教徒に改宗したと言われています。

1917年に「ファーティマ」の町で聖母マリアが3人の子供の前に出現し、奇跡を起こしたことから、ポルトガルでは「ファーティマの聖母マリア(Nossa Senhora de Fátima)」と呼ばれ、信仰の対象になっています。ブラジルの「アパレシーダ」同様に、聖母マリアと関連づけられることが多い名前となりました。


Wikipediaより

ブラジルの守護女王、聖母アパレシーダって何?

2016.10.10

アラビア語に影響を受けたポルトガル語

2017.05.18


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