ブラジル人は税金納付のために平均5ヶ月働く

ブラジル経済

ブラジル税務管理院(IBPT – Instituto Brasileiro de Planejamento e Tributação)が2016年に実施した調査によると、ブラジル人は年間平均で153日間(約5ヶ月間)、税金を納めるためだけに働いているという衝撃的な結果が出ています。このうち、29日間は政治家の汚職に伴い発生した損失の穴埋めをするために必要な平均日数だということです。

1988年には、同期間は73日間でした。ブラジルでは約30年間で税金負担が2倍以上になった計算になります。

世界全体で見ると、ブラジルは税負担のランキングでは8位となっており、ブラジルよりも税負担の大きい国々が存在します。1位は、デンマーク176日間、2位以降はフランス171日間、スイス163日間と続きます。ついでながら、日本は124日間、米国は98日間でした。

ブラジルよりも税負担の高い国はあるものの、問題は税収の使い道です。

ブラジル人が好んで使うお決まりのフレーズがあります。
「我々(ブラジル人)は、アフリカ並みの社会福祉に北欧諸国と同水準の高い税負担を支払っている “temos uma carga tributária escandinava para serviços africanos”」

Ibopeが2016年に行った調査によれば、実に90%のブラジル人が政府の税収の使い方に不満を抱いていることがわかりました。国民の不満には例えば次のようなものがあります。

  • 流通インフラが脆弱
  • 公共交通機関のクオリティが低い
  • 公衆衛生インフラが不十分
  • 公共医療、教育制度の品質が低い
  • 主に都市部での治安悪化

IBPTが2017年に各種指標を考慮して行った調査でも、税負担の高い30ヵ国中、ブラジルは国民への還元指数が最低レベルの国であるという結果がでました。

現在、ボルソナロ政権の経済政策の3本柱の一つに「税制改革(reforma tributária)」が掲げられています。この改革では、ホドリゴ・マイア下院議長が、5つの税制度を1つに集約し、財産サービス税(Imposto sobre Bens e Serviços (IBS))を創設するというプロジェクトが推進されています。

ただし、この「改革」は、ブラジルコストとしてやり玉に挙げられることの多い複雑な税制をよりシンプルにすることを目的としており、肝心の税負担額の削減は予定していないようです。



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