期待外れ?リスボンの世界遺産「ベレンの塔」


ジェロニモス修道院とセットで世界遺産に指定されている「ベレンの塔」の正式名称は「サン・ビセンテの塔(Torre de São Vicente)」です。マヌエル1世の統治下において、テージョ川とリスボン市の防衛拠点として建設されました。

アヴィス王朝の創始者ジョアン1世の曾孫でポルトガル王になったジョアン2世という人がいます。ジョアン2世は、トルデシーリャス条約を締結した人でもあります。ジョアン2世は、テージョ川の防衛のため、カスカイス要塞、サン・セバスチャンの塔、ベレンの塔の3点を建設しテージョ川の守りを固める計画を描きました。

ベレンの塔は、ジョアン2世の後継者であるマヌエル1世の指示によって建設されました。

ベレンの塔は、ベースが六角形の要塞になっており、その上に塔が建てられています。六角形の要塞には、各所に大砲が設置されており、その地下は監獄として利用されていました。

要塞内部

大砲

地下牢

大人が立つと頭をぶつけるほど、天上が低いです。こんなところに閉じ込められたら発狂しそうです。

塔は四階建てになっており、一階は政治家の執務室、二階は王の間、三階は会議室、四階は祈祷室として利用されていました。

各部屋は、人ひとりが通ることのできる階段を上っていきます。

一人ずつしか通れないということは、上る人と降りる人がすれ違うことができないということです。それを管理するために、各部屋の扉の上には、下の写真のような信号機が設置されています。

ベレンの塔内部は非常に狭く、装飾もじっくり鑑賞するようなものでもないので、信号待ちの渋滞が発生していました。しかも、塔内は閉鎖された空間なので風通しが悪く、混雑と相まってだんだんと気分が悪くなってきました。

屋上には、四つの見張り小屋が設置されています。テージョ川の眺めが素晴らしいですが、発見のモニュメントの展望台から見られる景色と大差ないように思います。筆者がベレンの塔を訪れたときは、多くの観光客が、景色をゆっくり楽しむというよりも、信号待ちのためにイライラしながら行列に並ぶという状況でした。

ベレンの塔は確かに歴史的な価値の高いものですが、リスボンには他にも見どころが山のようにあります。体力温存という意味でも、時間のない旅行者はベレンの塔はパスするのが良いのではないかと思います。