ブラジルの健康診断で全裸にさせられた男の話

ブラジルの会社でも年に一回の健康診断を従業員に受けさせる義務があるようで、先日、医者が会社に来ました。今年の健康診断は例年とは大きく異なる点があり、面白かったのでご紹介します。

テキトーな健康診断メニューに組み込まれた不思議な検査

今年の医者は40代くらいのスラリとした女医さんでした。女優のグウィネス・パルトローに雰囲気が似た女性でした。

健康診断とは言っても、身長、体重は自己申告でしたし、ウエストと血圧を測り、聴診器を当てて鼓動を聴かれたくらいです。

タバコは吸いますか?お酒は飲みますか?といった質問がいくつかなされ、「はい、どこにも問題ないみたいですね。」と言われて、検診から解放されるかと思っていた矢先、女医さんは後ろ手でおもむろに部屋の鍵を締めて次のように指示しました。

「じゃあ、そこに立って、ズボンとパンツを下して。右手の甲に力強く息を吹きかけてくださいね。お腹の動きを診ますので。」

女医さんはジェスチャーを交えて説明するのですが、そのジェスチャーでは明らかに女医さんはパンツを膝まで下していました。

「ちょっとジェスチャーが大げさな人なのかな?」と、半信半疑でベルトを緩めてズボンとパンツを大事なところが隠れるギリギリのラインまで下げて、「こんな感じでOKですか?」と尋ねました。すると、女医さんは「だめよ!膝まで下して!」と断固として膝のラインを譲りませんでした。

仕方がないので、エイヤッとパンツを膝まで下して、右手を口に当てて、息を吐きました。ちなみに、この検査の前に聴診があったので、上半身は裸でした。膝まではズボンをはいていましたが、ほぼ全裸の状態でした。
2016-07-19_2020
女医さんは腕組みしながら、厳かな顔つきで私の下腹部を見つめていました。

これまで、ブラジルで3回ほど健康診断を受けたことがありますが、パンツを下せと言われたのは初めてでした。血圧、聴診に続いて下腹部の動きの検査って、なんだかバランスが悪い気がします。かなり精密な検査のうちの一つとして、下腹部の検査をするのはまだ分かるのですが、わりとテキトーな健康診断の検査の数少ない検査項目の一つとして、なぜ大事なところを晒す検査が登場するのか、いまいち理解できませんでした。

ブラジルでは、「日本人のアレは小さい」というのが定番のジョークになっています。もしかすると、女医さんはそれを確かめたかったのではないか?その場合、私は女医さんの仮説を大きく裏切るアノマリーとなってしまったのではないかと気が気ではなくなりました。

職権乱用か?

この話を家に帰って妻にしたところ、もしかしたら、女医が職権を乱用したのではないかという話になりました。

翌日、同僚の日系人女性にそのことをさりげなく聞いてみると、「私はパンツなんて下してませんよ。」との回答が返ってきたので、私の疑惑はさらに深まりました。

会社で隣の席に座っている相撲取りのような大男に、パンツを下したか否か確認しても良かったのですが、もし彼も「そんな検査はしていない。」と答えた場合、あの検査が女医の職権乱用であったことが確定してしまい、ショックを受けそうだったので、質問せずにそっとしておきました。

職権乱用ではなかった。

先日、マネージャーが全員集まる月例会議があったのですが、その時に、例の健康診断の話題になりました。どうやら、パンツを脱がされたのは私だけでなく、男性陣が全員経験していたようです。男性陣の間では、健康診断のための小部屋に行くことを「ソプランド(soprando)に行く」と表現していたのがおかしかったです。このネーミングは、soprar(息を吹きかける)という動詞から来ており、検査の時にパンツを下して息を吐くことから付けられました。

その話をしている時に、マネージャーの一人であるレイチさんが、女医さんに呼ばれて、健康診断が行われている小部屋に行きました。彼が帰ってきた時に、頬を染めて、満面の笑みで帰ってきたので、会議の参加者は彼に何が起こったのかを悟り、ぼくらは何も言わずに彼を笑顔で迎えました。

レイチさんの場合は、あの小部屋で何が行われているか、既に知ってしまった分、やりにくかったのではないかと思います。来年の健康診断の時は、グウィネス・パルトローではない別の医者が来ることを祈ります。