ブラジル人男性のスキンシップ事情

日本人がカップルで食事に行き、カウンター席ではなくテーブル席に案内された場合には、通常対面で座りますよね。ところ変わって、ブラジルだとカップルは必ずと言っていいほど横並びに座ります。理由は単純で、そのほうが食事中にも恋人とスキンシップが取れるからなんです。

ヒザや肩を触るのもOK

以前、大学生10人くらいの集まりの中に、日本人一人だけで突入したことがあります。車座になって、話をする集会だったのですが、その中のある男性(仮名:マリオ)が、隣にいる女性のヒザをさすったり、肩に腕を回して何やら楽しそうにしていました。

二人とは面識がなかったので、「ああ、二人は付き合ってるんだな。」くらいに思っていたのですが、何度か顔を合わせている内に、どうもおかしいと思うようになりました。皆のリーダー格らしいマリオは、別の日には例の女性とは離れて座り、今度は別の女性の手を握って、何やら楽しそうにしていたのです。

後でわかったことは、マリオはその女性達の恋人でもなんでもなく、単に友達同士だということでした。肩に腕をまわしたり、手をすりすりするのは「親密さ」を表現するための彼なりの表現だったようです。

フォークダンスで密着

ノルデステ(北東部)には、フォフォーと呼ばれるフォークダンスがあります。ノルデステの人々はフェスタの時に、セルタネージャと呼ばれるフォークソングに合わせて、フォフォーを踊ります。ぼくも、フォフォーの踊り方を教えてもらったのですが、次のようにします。まず、男性が女性の股の間に片足を入れて、足を交差させます。そして、男性は右手で女性の腰を持ち、左手は女性の右手を持ちます。後はこれでステップを踏むだけです。日本人としては、恋人以外とするのは考えられないほどの密着間があります。

ぼくの勤務している会社でも忘年会などでフォフォーを踊ることがありますが、ブラジル人の従業員は、恋人とか関係なく、同僚同士でフォフォーを踊ります。あんなに密着したら、忘年会の後に恋が生まれてしまうのではないかと思うのですが、実際にはフォフォーを踊るのとお付き合いをするのは別物のようです。

↓彼らは会社の同僚同士で、恋人ではありません。
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初対面の女性と抱擁&キス

ブラジルでは、男性が女性と出会った時には、抱擁して、頬にキスします。キスといっても、通常は頬を合わせて、「チュッ」という音を出すだけなので、本当にキスすることは無いですが、とにかく日本人では恋人でもなければやらない親密な行動をします。

ブラジルに来て間もない頃、ブラジル人男性の友人のふるさとに遊びに行ったことがあります。彼が友人の家に遊びに行こうと誘ってくれたので、一緒に行ってみると、その友人というのは20歳代の若くて可愛らしい女の子でした。初対面だったのですが、友人が紹介してくれた時に、彼女は両手を広げてきたので、ぼくもそれに応えて彼女と抱擁することになりました。

それまでは、女性と抱擁するときに胸に触れないようにと思って、ふわっとした抱擁を心がけていたのですが、彼女は「ふわっ」ではなく「ギュッ」と抱擁してきました。その時に感じたのは、無条件で受け入れられていて、存在を肯定されているという安心感であり、助平な感情が首をもたげることはありませんでした。

人間は、時々「ギュッ」と抱きしめられる必要があるのではないか、とその時にフト思いました。日本に暮らしていると、あまり抱擁したりされたりする機会がないので、それが「女性の肌に触れたい」という渇望を生み出し、その結果「痴漢」などの犯罪が起こってしまうのではないかと思います。

ボノボは、争いを暴力ではなく、性で解決するということで有名で、雌が抱き合って、互いの性器をこすり付けあう「ホカホカ」と呼ばれるコミュニケーションをテレビで見たことがあります。ボノボのように「ホカホカ」をするまで行かなくとも、日本人も争いを減らすためにはもっとスキンシップを取っていくとよいのではないかと思います。