世界遺産セラ・ダ・カピバラ国立公園に行ってきました。

ブラジルの北東部ピアウイ州にはユネスコの世界遺産
セラ・ダ・カピバラ国立公園(Serra da Capovara)があります。
DSCN5442

この国立公園は、「僻地」という表現がピッタリの場所にあります。

サンパウロから行く場合、ペルナンブーコ州の西端、ペトロリーナ市まで空路でおよそ5時間、ペトロリーナ市から車でさらに5時間走った場所にあります。

途中、未舗装の悪路(↓)を100キロ近く走らなければなりません。
DSCN5413

日本から来た旅行者が訪れることはまずないのではないかと思いますが、考古学に興味があり、それでも行ってみたいと考える奇特な方のために、国立公園への旅行案内を記したいと思います。

セラ・ダ・カピバラ国立公園の歴史と見どころ

セラ・ダ・カピバラ国立公園は1979年、ブラジル人とフランス人の考古学者によって、地域の生態系と考古学的価値を保護するために作られました。この国立公園の見どころは紀元前一万二千年前の古代人が書いたとされる壁画群です。
blog_import_532f0e466772f

1991年にはユネスコの人類文化遺産として登録されました。現時点でアメリカ大陸最大の壁画群とされています。

セラ・ダ・カピヴァラ国立公園が世界遺産に登録された理由

1980年頃、この国立公園でアメリカ大陸の歴史を塗り替えるようなものが発掘されました。

当時、アメリカ大陸に人類が入植したのは1万5千年前であると考えられていました。入植者は、シベリアからベーリング海峡を渡って、中米を通って1万1千年前に南米に到着したものと考えられていました。しかし、セラ・ダ・カピヴァラ国立公園で発掘された炭がこの歴史を塗り替えてしまいました。

調査の結果、発掘された炭は2万5千年前のモノであるということが立証されたからです。その後も調査が続けられ、3万1千年前のモノ、5万8千年前のモノ、最近では10万年前のモノまで発掘されたそうです。

blog_import_532f0e4cf2aaa

オススメの宿泊先

セラ・ダ・カピバラ国立公園の観光拠点はサン・ハイムンド・ノナート(Sao Raimundo Nonato)という小さな町です。

小さな町なので宿泊先の選択肢は数件しかありません。オススメは、セントロにあるホテル。
Real Hotel Empreendimentos

町の中心にある清潔なホテルです。従業員も親切ですし、併設するレストランでは朝食、昼食、夕食をとることができます。大人2名で一泊180レアル(約7,200円)でした。

セラ・ダ・カピバラ国立公園のツアー

国立公園内に入るためには、ガイドを雇わなければなりません。土曜日の昼12時にホテルに到着し、その日の13時からの半日ツアーをホテルの受付で依頼したのですが、特に問題なくツアーを手配することができました。ホテルに着いて、レストランで昼食をとったら、そのままツアーに参加できます。事前に予約しておく必要はありません。

ガイド料金は、一日ツアーが120レアル(約4,800円)、半日ツアーが100レアル(約4,000円)でした。上記の他、国立公園への入場料が大人14レアル(約560円)かかります。ツアー料金に車代は含まれていません。セラ・ダ・カピバラ国立公園に個人旅行で来るという時点で自家用車又はレンタカーで到着されていると思います。車は、ガイドが座るための一人分の空きスペースが必要になります。

半日ツアーの内容

国立公園はSao Raimundo Nonatoの町から30キロ程離れた場所にあります。

(1)高台から国立公園を一望
DSCN5442

(2)壁画①
DSCN5470

(3)壁画②
DSCN5478

(4)穴の開いた岩
DSCN5502

スシ・ヤマダのプロデュースした陶器

公園内には、土産物屋があり、壁画をデザインした陶器が販売されています。
blog_import_532f0e4d9658b

ガイドの話では、これらの陶器はサンパウロから来た「スシ・ヤマダ」という日本人が監修したそうです。スシ・ヤマダ氏の名前は本名なのかという点には若干疑問が残ったので、インターネットで調べてみましたが、スシ・ヤマダ氏はヒットしませんでした。代わりにヒットしたのは「Shoshy Yamada」。ショージ・ヤマダさんかな?たぶん、ガイドが勝手にスシにしてしまったものと思われます。

”スシ”ヤマダ氏率いるNGOは、セラ・ダ・カピバラ国立公園における持続可能な経済活動を促進するために陶器を作る技術を当地に伝えたといいます。スシ・ヤマダ氏にならって、壁画を刻印した温泉まんじゅう的なものを販売してみるのも面白いかもしれません。

アメリカ人類博物館

Sao Raimundo Nonatoの町から少し離れた場所に、2009年に出来たばかりの博物館があります。
DSCN5514

MUSEU DO HOMEM AMERICANO
開館日  火曜日-日曜日
営業時間 9:00-17:00
入場料 10レアル

Sao Raimundo Nonatoの町を出て、Vitoriaというスーパーマーケットが右手に見えたら右折します。何の変哲もない田舎の道を走っていくと、草むらの中に場違いなほどに洒落た博物館が突然姿を現します。建物は立派ですが、館員の話では、平日は訪れる人が一人もいない日もあるそうです。我々が訪れた日も、他に観光客がおらず、貸切状態でした。
DSCN5516
内装も洒落ています。

DSCN5519
映画館のような巨大スクリーン

blog_import_532f0e53a3b74
これは3900年前の人間のうんこの化石

DSCN5524
スシ・ヤマダの陶器はミュージアム・ショップでも買えます。

blog_import_532f0e550c6d9
博物館に居るオウム

観光収入が増えない理由と問題

最初に書いた通り、セラ・ダ・カピバラ国立公園は僻地にあるため、訪問者がなかなか増えません。近くに空港を建設しているというので、調べてみたら、もう17年も前から空港建設計画を進めていて、まだ、完成していないということです。建物や滑走路は完成しているのですが、この空港を利用する民間航空会社は今のところ存在しません。

滑走路は既にひび割れており、改修が必要な状況です。もしかしたら、空港が完成するまでに、あと20年くらいかかるかもしれません。
http://g1.globo.com/pi/piaui/noticia/2015/05/homologacao-do-aeroporto-serra-da-capivara-deve-sair-em-30-dias.html

アクセスが悪いため、セラ・ダ・カピバラ国立公園内には、世界遺産としてはあまりに寂しすぎるほど観光客が少なかったです。観光客が少ないということは、文化遺産を保存する財源も少ないということになります。残念ながら、壁画は岩からしみ出る塩分によって少しずつ消えかかっているそうです。

ブラジルに長期間滞在する機会があれば、壁画がくっきり見える間に是非訪れてみてください。