レシフェに100回行った人による観光ガイド

ペルナンブーコ州の州都であるレシフェは、国民総所得でいうと東北伯ではサルバドール、フォルタレーザに次いで3番目に大きな都市です。筆者は、このレシフェから飛行機で一時間ほど内陸に行った場所に住んでおります。

どこへ行くにしても必ずレシフェを経由する必要があるので、たぶんレシフェにはもう100回くらい足を運んでいます。観光地にも何度も足を運んでおりますので、その経験からおすすめのレシフェ観光コースをご紹介します。

レシフェ旧市街

レシフェの文化的な見どころは旧市街に集中しています。

マルコゼロ


レシフェの心臓ともいえるのが、リオブランコ広場、通称マルコゼロ(Marco Zero)です。レシフェ港の近くにあるこの広場には、中心部にマンホールのようなものが埋められています。

このマンホールの様なものは、マルコゼロ=ゼロ陸標と呼ばれています。ペルナンブーコ州の各都市は、このマルコゼロからの距離で、何キロの場所と表現されることがあります。

広場の周辺には、かつて倉庫として利用されていた古い建物があったのですが、ここ数年で開発が進み、瀟洒なレストランや博物館、民芸品売り場ができ、観光客のみならず、地元の人にも人気の場所です。

フランシスコ・ブレナン陶芸公園


マルコゼロ広場から100メートルほど沖に出た岩礁の上には、空高くそびえるオベリスクの立つ公園が見えます。この公園は、陶芸家フランシスコ・ブレナンが企画した陶芸公園です。2000年に、ブラジル「発見」から500周年を記念して建てられたもので、32メートルのオベリスクの他、およそ九十点もの作品が展示されています。フランシスコ・ブレナンは、「ブラジルのガウディ」との異名を持ち、レシフェでは最も有名なアーティストの一人です。

広場にいる船乗りに声を掛ければ小舟で渡ることができます。(料金は一人5レアル程度です。)

レシフェ版、赤レンガ倉庫?


フランシスコ・ブレナン陶芸公園から向かって右手には洒落たレストランや酒場があります。かつて倉庫があった場所を改装したもので、海を眺めながら食事ができます。DEVASSAというビアホールで、黒豆スープでも飲みながら生ビールを飲むのがオススメです。

ペルナンブーコ州文化センター


マルコゼロ広場から向かって北側には、ペルナンブーコ州文化センター(Centro de Artesanato de Pernambuco)があります。この文化センター内には、ペルナンブーコ州各地から集められた民芸品が展示されています。値段は他で買うよりも少し高めですが、その分、クオリティの作品が多いように感じます。入場無料で眺めるだけでも楽しいです。

オリンダの巨大人形をテーマにしたオブジェ

同じ建物内にあるレストランには、量り売りのレストランが入っており、海を眺めながら気持ちのいい食事ができます。入り口は文化センターとは異なりますのでご注意ください。

セルトン博物館


ペルナンブーコ州文化センターの建物沿いに100mほど歩くと、セルトン博物館(Museu Cais do Sertão)があります。2014年ブラジルW杯開催の2ヵ月前に出来た博物館で、セルトンとルイス・ゴンザーガをテーマにした博物館です。

セルトンというのは、ペルナンブーコ州の西側、バイーア州北部、マラニョン州などにある半乾燥地帯のことを差しています。沿岸部のレシフェとは全く環境が異なり、独特の文化が発達しています。ルイス・ゴンザーガというのは、このセルトンの哀愁を歌った有名な歌手で、「ブラジル版、北島三郎」といったところです。東北伯の文化を知る際に、セルトンの文化理解は欠かせません。レシフェはセルトンではないですが、このセルトン博物館でセルトンの文化に触れてみてください。

博物館では、最初に巨大スクリーンで10分程度の動画を見ます。ここで、セルトンに住む人々の素朴な生活を知ることができます。博物館内部では、セルトンの象徴ともいえるサンフランシスコ河の模型に水が流れています。

2階では、セルトン音楽で利用される楽器の演奏を体験できるコーナーもあります。

カイシャ・クルトゥラル


マルコゼロ広場に面して建つ、ひときわ美しい建物の一つにカイシャ・クルトゥラル(Caixa Cultural)があります。Caixaというのは、ブラジルの公的金融機関です。内部は、無料で入場できる博物館です。常設展は無く企画展のみなので、訪れた時期によって展示内容が異なります。

この日は、ブラジル人コレクターが集めた浮世絵特集をやっていました。葛飾北斎の凱風快晴(通称:赤富士)をレシフェで眺めることになろうとは、思っても見ませんでした。
無料ですし、マルコゼロ広場に面しているので気軽に入れます。

良いイエス通り


カイシャ・クルトゥラルの建物の後ろに200メートルほどの小さな通りがあります。その名を「良いイエス通り(Rua do Bom Jesus)」と言います。昔は、「ユダヤ教徒通り(Rua dos Judeus)」と呼ばれていました。何の変哲もないこの通りは、歴史好きにはたまらない通りとなっています。

この通りには、アメリカ大陸で最初にできたユダヤ教会(シナゴーグ)がありました。現在は復元されたものが博物館となっていて、観光で訪れることができます。

レシフェは1630年から1654年までオランダに占領されていました。当時、イベリア半島ではカトリック以外の宗教が迫害されており、悪名高い宗教裁判もこの頃に行われ、ユダヤ教徒も迫害の対象となっていました。
オランダ人は信教の自由を認めていましたので、オランダ支配時代には大勢のユダヤ教徒が新天地を求めてレシフェに移り住みました。
オランダがポルトガルに追い出されると、ユダヤ教徒も国外に逃亡しました。この時に、カリブ海に逃げた人々が、ブラジルで学んだ製糖技術をカリブに持ち込んだため、ブラジルの砂糖産業が衰退し、北米に逃亡したユダヤ人は、東海岸にニューアムステルダム(後の、ニューヨーク)を建設したという面白い話があります。

シナゴーグは火~金曜日と日曜日午後しか営業していないので、訪れる方は曜日にご注意ください。
日曜日は、この通りに活気の溢れる日曜市が立ち並びます。年に数回、地元の日本人協会が主催する日本市が立つこともあります。

シナゴーグの隣には、オリンダのカーニバルで使われる巨大人形を展示した場所があります(有料)。カーニバルには行けないけど、カーニバル気分を味わいたい人は、是非足を運んでみてください。

レシフェにあるアメリカ大陸初のユダヤ人教会
16~17世紀において、ヨーロッパでユダヤ人が迫害され、改宗を迫られていた時代がありました。当時のユダヤ人にとって、ブラジルのペルナンブーコは、「約束された地」であると考えられていました。 1630年にオランダがレシフェを占拠すると、非常に多く...

フレーボ博物館


シナゴーグのある通りの角を曲がって左手の方には、フレーボ博物館があります。フレーボは、ペルナンブーコ特有のカーニバルの踊りです。展示物は少ないですが、最上階の部屋はカーニバルの時のチームが掲げた旗が展示してあり、見ごたえがあります。

1階にカフェがあるので、博物館を見なくてもコーヒーを飲んで一休みすることができます。博物館の内部にはミュージアムショップがありますが、係員に言えば入場料を払わなくてもショップだけ見せてくれます。

カフェ

ミュージアムショップ

カーニバル期間以外でも楽しめる!レシフェのフレーヴォ博物館
レシフェに来た旅行者が一度は足を運ぶであろうマルコ・ゼロから歩いて直ぐの場所に、フレーヴォの博物館があります。 2014年2月にオープンしたこの四階建ての博物館は、正式にはパッソ・ド・フレーヴォ(Paço do Frevo)、すなわちフレー...

刑務所をリフォームしたカーザ・デ・クルトゥーラ


マルコゼロから車で5分ほどの場所に、刑務所をリフォームした文化センターがあります。歩いて行くのはしんどいので、タクシーを利用すると良いです。リフォームは、サンパウロ美術館(MASP)を設計した建築家が手掛けています。
土産物屋は、刑務所の独房の中に入っており、刑務所だったころの面影が残っていて面白いです。

レシフェの観光スポットになった刑務所
レシフェのダウンタウンには1855年に建設された刑務所があります。日本の重大事件で言うと、時期的にはペリーが浦賀に来航し、安政の大地震が発生した頃の話です。この刑務所は118年に渡って利用されましたが、刑務所としての役割を終えた後はペルナンブーコ州の...

ショッピングセンターRIOMAR


ショッピングセンターRIOMARは、2012年10月にマングローブ林とファベーラの中に突然姿を現したレシフェ最大の商業施設です。プラダ、グッチ、バーバリー、D&G、アルマーニ、ヴェルサーチ、ディーゼル、コーチなどの高級ブランドの他、ZARA、C&A、 Renner、 Riachueloなどの大衆的なブランドも入っています。

最上階には、ブラデスコ・プライムという映画館があり、豪華なソファシートでお酒を飲みながら映画鑑賞ができます。
フードコートのテラスからの眺めがいいです。

リカルド・ブレナン美術館

日本のガイドブックには何故か記載されていないのですが、レシフェに来るブラジル人観光客が必ず行くのがリカルド・ブレナン美術館でしょう。ペルナンブーコ連邦大学(UFPE)の近くにあって、中心からは少し離れています(車で20~30分程度)。

リカルド・ブレナン氏が私財を投じて世界中から集めたコレクションが展示されています。展示されている建物自体も中世のお城のような作りで豪華です。金が余りに余ってしょうがなかったのだろうと思います。

ここでは、貴重な絵画、彫刻、硬貨などが展示されています。ブラジル歴史好きにはたまらないのが、フランス・ポストの絵画コレクションです。フランス・ポストは、オランダの画家で、オランダが東北伯を占領していた時期にマウリシオ・ナッサウ伯と一緒にブラジルに滞在し、ペルナンブーコの風景画を描きました。

リカルド・ブレナン氏は刀剣マニアでもあり、刀剣だけを収蔵した建物も見ごたえがあります。日本刀も収蔵されています。
リカルド・ブレナン美術館は午後しか営業していないので、訪問する際にはご注意ください。

レシフェのおススメ観光地(Instituto Ricardo Brennand)
リカルド・ブレナン博物館(Instituto Ricardo Brennand)はレシフェに訪れることがあれば、是非足を運んでみたいおススメの観光地の一つです。 ペルナンブッコ連邦大学(UFPE)の隣にある広大な土地に建てられたこの博物館は、展...

フランシスコ・ブレナンのアトリエ


フランシスコ・ブレナン氏は、マルコゼロ広場の下りで既に述べたとおり、「ブラジルのガウディ」との異名を持つ陶芸家で、リカルド・ブレナン氏の従弟です。
フランシスコ・ブレナン氏の作品は、レシフェの街中至る所にあります(レシフェ空港、マルコゼロ、公園など)。この美術館は、氏が手掛けた作品のワンダーランドという様相を呈しています。リカルド・ブレナン美術館の近くで、車で10分ほどの場所にあります。
鬱蒼と茂る森の中を何分か車で走ると、お城の様な美術館が姿を現して感動します。ディズニーランドのように、非現実的な雰囲気に包まれています。芸術作品によくあるように、彼の作品は男女のエロスに満ちているので、私の妻は途中で気分が悪くなっていました。

アトリエは午前中から営業しているので、先にこちらをみて、午後からリカルド・ブレナン美術館にいけば効率的です。

ブラジルのガウディ、夢のアトリエ
「ブラジルのガウディ」と呼ばれるフランシスコ・ブレナンのアトリエ兼アートミュージアムが、レシフェの郊外にあります。フランシスコ・ブレナンは、主に陶磁器のアーティストで、レシフェ市民で彼のことを知らない人はいないほど有名な人です。 彼の作...

日程案

日程的には、マルコゼロ周辺で一日、ブレナンの美術館2つを一日で回るのが効率的かと思います。マルコゼロ周辺で見るものを減らして、半日はオリンダ観光、もう半日でマルコゼロ周辺を観光するというのも有りだと思います。

レシフェ近郊の観光スポット

レシフェ滞在期間が3日以上あるなら、近郊のビーチリゾートに行くのもお勧めです。

ポルト・ジ・ガリーニャス

青い海と天然プールが有名なポルト・ジ・ガリーニャスは、南部から来るブラジル人観光客にも有名なビーチで、レシフェから車で南に一時間強の場所にあります。日帰りもできますが、できれば一泊はしたいところです。途中、サトウキビ畑が広がっており、砂糖産業で発展した昔に思いを馳せることができます。

ポルト・ジ・ガリーニャスの観光ガイド
レシフェから60kmほど南にある「ポルト・ジ・ガリーニャス」は、ブラジルのベスト・ビーチリゾートに10年連続で選出されているブラジル人に人気のあるリゾートです。 日本のガイドブックにはあまり載っていないのですが、せっかくレシフェまで来たので...

イタマラカ島


ポルト・ジ・ガリーニャスとは逆にレシフェの北にあるビーチです。距離的には、やはり車で一時間ほどの場所です。ポルト・ジ・ガリーニャスとは違って、開発が進んでおらず素朴な雰囲気が楽しめます。途中、イガラスーという、ミニ・オリンダのような場所があるので、イタマラカ島に行くなら、イガラスーにも少し立ち寄ることをおすすめします。
島の南部には、オランダ人が建てたオレンジ要塞(Forte Orange)という歴史的建造物があります。この要塞は、1631年に建設され、オランダ皇太子であるフレデリコ・ヘンリケ・デ・オランジに敬意を表してオレンジ要塞という名前が付けられました。
あさりの様な貝が獲れるので、持ち帰ってあさり汁でも作れば幸せな気分になります。

イタマラカ島の海岸で過ごす素朴な休暇。
レシフェ空港から北におよそ60kmほどの場所にあるビーチリゾート、イタマラカ島(Ilha de Itamaracá)という所に行ってきました。自分としては、イタマラカ島の歴史などに興味があるのですが、まずはどのような場所なのかということをご紹介します...

ここまで長文お読みいただきありがとうございます。この記事が少しでもレシフェ観光の参考になれば幸いです。