サンジョアンのクアドリーリャは英国貴族が生んだ踊り

6月に入ってノルデスチ(ブラジル北東部)ではあちらこちらに、サンジョアン(聖ヨハネ祭り)の飾り付けが見られるようになりました。
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↑サルバドールのサンジョアンの様子。写真のオジサンはサンジョアンに欠かせない存在、バイヨンの王、ルイス・ゴンザーガ(Luiz Gonzaga)です。

日本ではカーニバルほど知られていないのですが、サンジョアンの祭りはブラジルの「田舎のカーニバル」と言っても良いほど盛大に祝われるイベントで、特にクアドリーリャ(quadrilha)と呼ばれる踊りはカーニバルに劣らない魅力があります。

クアドリーリャは英国生まれ

クアドリーリャは、実はブラジル生まれではなくて、13~14世紀イギリスで生まれた踊りです。イギリスで生まれたクアドリーリャは、イギリスとフランスの百年戦争の影響で、フランス人にも影響を与え、フランス王宮で行われる高貴な踊りとしてフランスに伝わりました。クアドリーリャはフランスを皮切りとして、ヨーロッパ全土に広がりました。クアドリーリャという踊りの名前はフランス語で「四人ペア」を意味するそうです。

クアドリーリャはポルトガル王室によりブラジルに持ち込まれた

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ブラジルにクアドリーリャが持ち込まれたのは、ポルトガル王室がナポレオンの侵攻を受けて、ブラジルに亡命した1800年初頭のころ。もともと、貴族だけが楽しんでいた踊りだったのですが、お祭り好きなブラジル人は、この踊りを瞬く間に気に入ってしまい、大衆化していきました。

クアドリーリャは6月の聖人(聖アントニオ、聖ヨハネ、聖ペドロ)に敬意を表し、農作物の豊作を感謝するために踊られます。ブラジルの農民は一般的に宗教心の強い人が多いことから、現代においても都市部ではなく田舎でクアドリーリャの文化が残っているのだと思います。

クアドリーリャの掛け声

クアドリーリャは、お決まりの掛け声があります。クアドリーリャを見る機会があれば、代表的な掛け声をブラジル人に教えてもらうと楽しさが倍増するかもしれません。

Balancê(バランシ) – その場で片足だけでバランスを取る
Caminho da roça(農場への道) – 踊り子たちは男女交互で一列になる
Olha a Cobra (見ろ、蛇だ!) – 踊り子たちは逆向きに歩く
É mentira!(嘘だよ!) – 踊り子たちは元場所に戻る(オーリャ・ア・コブラ!とセット)

動画で見るクアドリーリャ