豚肉を食べると頭がおかしくなって死ぬ?

「豚肉を食べると、頭が狂って死ぬから食べないほうが良い。」

そんな話をブラジルに来たばかりの頃、ブラジル人から忠告されました。確かに、ブラジル人が食べる肉と言えば、鶏肉と牛肉が中心で、豚肉はあまり消費されていません。豚肉を良く食べるアジア人からすれば、「頭が狂って死ぬ」というのは俄かに信じられるものではなく、「マンゴーと牛乳を一緒に食べると死ぬ」と同様にブラジル人の迷信ではないかと思いました。

ゴミ捨て場で生ゴミを漁る豚

先日、会社の食堂で昼めしを食べながら、お昼のニュースを見ていたところ、衝撃的な映像が流れました。ノルデステ(ブラジル北東部)では、ゴミを野晒しにして捨てる場合が多いのですが、そのゴミ山の中に、沢山の黒い豚が居て、ゴミ山の中にある生ゴミを食べていたのです。
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ニュースキャスターは、それらの生ゴミを食べた豚を「汚染された豚」だと表現し、その豚が青空市場に並べて売られていることがあるということについて注意を促していました。豚肉は青空市場ではなくブラジル農務省の認可マークがついたものを買うべきであるとも忠告していました。店で買うときには有名なブランドのものやオーガニック製品を買うようにしていますが、レストランなどで食べる時には「どこから来ているのか」というのはあまり気にしたことがありません。知らず知らずのうちに、生ゴミを食べた豚を口に運んでいたらと想像するとゾッとします。

豚を食べて亡くなった元サッカー選手

「汚染された豚 問題」というキーワードで検索したところ、レシフェのサッカーチーム(Sport Club Recife)でフォワードをしていたレオナルド選手(41)が、汚染された豚を食べて死亡したというニュースが出てきました。

レオナルド選手の死因は嚢虫症(のうちゅうしょう)でした。Wikipediaによると、嚢虫症は、豚に寄生するサナダムシの幼虫によって起こる組織感染症であり、脳に影響を与え、発展途上国ではてんかんのよくある原因の一つと定義されています。

サンパウロ連邦大学の伝染病学者によると、豚に寄生したサナダムシが腸、又は神経回路を通じて脳にまで達するそうです。脳に達した場合、脳圧が上がり、頭痛又は昏睡を引き起こします。

ブラジルのように衛生インフラが整っていない国においては、嚢虫症を発症するケースがいまだに各地で見られています。最も大きな問題は人々が非合法的な肉屋から肉を買っているという点です。汚染された肉の摂取を避けるためには、農業省の認可証(SIF 【Serviço de Inspeção Federal】)のある肉を購入することを勧めています。

ブラジルに来た当初は、ブラジル人の忠告に従って、大手食肉メーカーの冷凍された豚肉を買っていましたが、あれは固くて美味しくないんです。中国人移民が増えた影響からか、普段通っている肉屋に豚の生肉が入るようになったので、最近では肉屋で豚肉を買っていました。しかし、汚染された豚肉のニュースを見て、今後の豚肉購入先をもう一度考え直そうと思います。