日本が天国に思える?ブラジルのトンデモナイ医療事情

日本では、健康保険に加入して、病院に行くと自己負担は三割までというのが当たり前になっていますが、ブラジルでは医療事情が日本とは大きく異なります。
ishi

私費か保険適用か

ブラジルの病院に行くと、窓口で次のように聞かれます。「私費ですか、それとも保険ですか?」私費の場合、ぼくの住む町の相場だと大体200~300レアル(6000円~9000円)くらいかかります。保険適用の場合、窓口での支払いはない代わりに、33歳のぼくの場合毎月120レアル(3600円)ほどの保険料がかかります。

病院に行く前に予約をするのが一般的ですが、私費の方が医者の身入りが良いためか、保険対応よりも優先的に予約を入れてくれることがあります。また、医者の中には、私費の患者しか受け入れていない人も居ます。

予約が取れるのは一ヵ月後?

私費の方が優先的に対応してくれると書きましたが、それでも、予約が取れるのは一ヶ月先というのは普通で、人気のある医者の場合、半年後まで空きがないという場合もあります。日本だったら、どんなに人気のある病院であっても、病院に行って辛抱強く待っていれば、その日のうちに診察してもらえるじゃないですか。一ヶ月も放置しておいたら、症状が悪化してしまいそうですが、泣いてもわめいても誰かが救ってくれるわけでもないので、辛抱強く待つしかありません。

このような時は、お医者さんとアミーゴになっておけば、うまくいけばすぐに診察してもらえることがあります。ブラジルのお医者さんは気さくで頭の柔らかい人も多いです。受付嬢にいくら窮状を訴えても、のれんに腕押しなのですが、お医者さんと直接連絡が取れれば、アミーゴ対応ですぐに診てもらえる可能性があります。もし、症状がアミーゴのお医者さんの専門外であった場合でも、彼の友人の医者に口利きしてくれる場合があります。このように、ブラジルではある程度のしたたかさが必要になる場合があります。

保険に入れない人はどうするか

ところで、ブラジルは国民皆保険制度ではないので、企業が従業員を保険に加入させる必然性はありません。従業員を保険に加入させるか否かは企業の自由なのです。そのため、保険があるかないかは、ブラジルで職を探すに当たって、重要な判断要素の一つになります。

工場の工員さんの場合だと、賃金は月に1000レアル程度(3万円)が相場ですが、保険がない場合に、私費で医療費を払うのは財政的に厳しいです。医療費を支払えない彼らはどうするかというと、ブラジル健康省が運営する医療機関であるSUS(O Sistema Único de Saúde)に行くことになります。

このSUSは、基本的に医療費無料だそうです。そのためか、病院は慢性的な需要過多となっており、病院に行っても診察してもらえないという問題がしばしばテレビのニュースで報道されています。

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SUSでの医療は無料とはいえ、受入態勢が十分に整っているとは言い難い状態であるため、中流以上の所得階層の人々は、民間保険に入ることになります。保険に入っていても、一ヵ月待ちが当たり前にあることを考えると、いかに日本の医療制度が恵まれているのかというのを感じます。当たり前だと思っていることが、実は非常に恵まれていたということに気付けることは海外暮らしの醍醐味ですね。