我が親父の生き方と男のロマン

男のロマンを追い求めた親父

ぼくは、長野県にある南箕輪村という雄大な山々に囲まれた美しい場所で生まれ育ちました。生まれ育った家には、テニスコートくらいの大きさの庭と、同じくらいの大きさの畑がありました。そこで、犬、アヒル、チャボなどを飼っていました。
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ぼくの親父は、自分で色々と作るのが好きな男でした。どこからか持ってきたショベルカーで庭に六畳くらいの巨大な穴を掘って石を敷きつめて池を作ったり、四畳くらいはある巨大なガラスを買ってきて、水族館ばりの巨大な水槽をこしらえて体長40cmくらいの魚を飼ったりと、今思えばスケールのでかいことが好きでした。ぼくが学校から帰ってくると、自分で作った水槽にブリーフ一枚で入って、内側に付着した藻を落としていたのですが、その時の光景を今でも覚えています。そういえば、ペットにサルを飼っていたのも、今思えば一般的な家庭環境ではなかったと思います。

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ぼくが中学くらいの頃、親父は畑の隣に70m2くらいはありそうなプレハブの家を一人だけでせっせと作り上げました。当時は、特にスゴイとも何とも思わなかったですが、大人になった今思えば、その実行力は普通ではなかったなあと改めて思います。

プレハブの次に親父が建てようとしたもの。それは、ログハウスです。近所の山を購入して、そこにログハウスを建てる予定だったのです。子供のころは、大人の世界のことはわからなかったので、親から「山を買った」と言われても、「ふーん、そうなんだ。」くらいにしか思いませんでした。

モノづくりの好きな親父は購入した山にログハウスを立てることなく、ぼくが中二の時に逝ってしまいましたが、モノづくりが好きな性格は親父の血を通して自分に受け継がれているようです。ぼくも、何かを作ることは時を忘れて熱中してしまう傾向にあります。ブラジルに来て、納豆や豆腐作りに精を出すのもその一端だと思います。

男のロマンを実現させる男

モノづくりといえば、漫画家の守村大氏が書いた本『新白河原人』には、長い都会暮らしで押し殺されていた、モノづくりへの想いを掻き立てられました。

この本は、都会に暮らしていた漫画家の守村大氏が、都会を出て福島県の雑木林を切り開き、そこにログハウス、サウナ、水風呂、井戸掘り、畑を構築していく様子を文章と漫画で描いたものです。やることすべてが初めてなので、たびたび失敗もするのですが、男のロマンを達成していく様子をリアルに追体験できます。

完成品を「買う」ことを普通にしている多くの現代人にとって、自分で「作る」という行為は選択肢に出てこない場合もありますが、守村氏の場合、何でも「自分で作れないか」という考え方をします。勿論、失敗はするのですが、失敗を重ねることで徐々に上達していく過程は読んでいてとても楽しそうです。自分で作ったものには、愛着が沸きますし、費用も抑えることができる場合があります。なによりも、モノを作り出すという行為自体が「癒し」になります。モノ作りによる「癒し」を追体験してみるにはお勧めの本です。

こちらは続編

まんが版も連載中

新白河原人の体験をベースにした漫画。新白河原人に書かれていないことも載っていて、まんが版も楽しめます。