ポン・デ・ケージョの誕生秘話

日本でも見かけることのある「ポン・デ・ケージョ(pão de queijo)」は、直訳すると「チーズのパン」という意味があります。その名の通り、中にチーズが入った丸いパンで、もちもちとした食感が日本人の好みにも良く合います。ブラジルでは、朝食で食べられることが多く、軽食屋やポン・デ・ケージョの専門店などでも食べることのできる身近な食品です。

ポン・デ・ケージョの専門店(Casa do Pão de Queijo)

ポン・デ・ケージョの誕生秘話

ポン・デ・ケージョがどのようにして誕生したのか、という点に関しては確かな証拠が残っていません。有力な説としては、18世紀にミナス・ジェライス地方にある大農場で誕生したという説があります。

農場主たちにはパンを食べる習慣がありましたが、当時は小麦粉を入手するのが今と違って困難でした。当時、ブラジルでは小麦を生産しておらず、輸入品に頼っていたのです。輸入した小麦粉は、価格が高い上に、品質も良くない場合がありました。

それでも、料理人は農場主のためにパンを用意する必要があったので、ポウヴィーリョ(polvilho)と呼ばれるマンジョッカ芋の粉を使ってパンを焼くことにしました。ブラジルの国民食、マンジョッカであれば、安く容易に調達が可能だったのです。

同じ時代に、ミナス・ジェライス地方で山積みになったチーズの在庫が、時間の経過とともに固くなり、それがミナス・ジェライス特産の乾燥チーズ(queijo curado)になりました。この乾燥チーズをそのまま捨てるのがもったいないので、これを擦りおろして、マンジョッカ芋の粉で作るパンの材料の中に入れるようになりました。これが、有名なポン・デ・ケージョの誕生の習慣であると言われています。

このように、ポン・デ・ケージョはミナス・ジェライス地方で誕生し、その後1950年代にブラジル全体、及び海外にまで広がっていったと言われています。

ポン・デ・ケージョはパンではない?

ポン・デ・ケージョは、「pão=パン」という名前を冠していますが、正確には小麦粉では無くマンジョッカ芋の粉を使っているので、マンジョッカ・パンとでも言うべきかもしれません。

原材料には、マンジョッカ芋の粉、ミナスのチーズ、卵、牛乳が使われています。小麦粉が使用されていないので、グルテン・アレルギーの人でも食べることができます。

我が家でポン・デ・ケージョを作ってみた

ホテルの朝食などで食べるポン・デ・ケージョは、時間が経って味がイマイチなことがあるのですが、家で作れば焼きたてのおいしいポン・デ・ケージョが食べられます。ブラジルでは、冷凍食品コーナーにポン・デ・ケージョの生地を冷凍したものが売られているので、家庭で作るのも簡単です。

ブラジルの台所では、ガスレンジに必ずと言って良いほどオーブンが付いています。まず、このオーブンを10分温めます。オーブンが温まったら、耐熱皿に並べた冷凍のポン・デ・ケージョをオーブンの中に入れます。それから、30~40分ほど焼きます。表面が固くなるので、焼きすぎには注意が必要です。

焼き上がったポン・デ・ケージョは、温かいうちに食べるのがおすすめです。