ネイマールの父はネイマール?不思議なブラジルの名前

サッカーブラジル代表のネイマールこと、ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオ(Neymar da Silva Santos Júnior)の父親の名前は、ネイマール・ダ・シウバ・サントス(Neymar da Silva Santos)といいます。ジュニオ(Júnior)というのは、「若い」という意味なので、日本の若君みたいなものですね。
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ジュニオ

ブラジルでは父親の名前をそのまま子供に名付けて、最後にジュニオ(Júnior)と付けることがめずらしくありません。ぼくの知り合いにも、数名います。IBGEの2010年調査によると、ジュニオというファーストネームの人は、ブラジルには112,652名居ることが分かりました。

フィーリョ

ジュニオの他にも一般的なのが、フィーリョ(filho)です。フィーリョというのは「息子」と言う意味です。父親がセルジオと言う名前であれば、息子の名前は、セルジオ・フィーリョという事になります。ジュニオの場合には、父親と全く同じ名前にしますが、フィーリョの場合にはファーストネームのみ父親から引き継ぎ、ミドルネームは引き継ぎません。セルジオ・フィーリョのことを父親が呼ぶ時は困るのではないかとブラジル人に聞いたところ、フィーリョと呼んだり、セルジーニョと呼んだりするのだと教えてくれました。

ネット

フィーリョに似た名前で、ネット(neto)という名前も良くあります。ネットというのは、「孫」と言う意味です。これは、おじいちゃんと同じ名前を付けたときに使われます。以前、同僚でアントニオ・ネットという人が居ました。彼は、家族以外からも「ネット」と呼ばれるのに慣れているということで、職場でも「ネット」と呼ばれていました。しかし、孫でもない同僚のことを「ネット」と呼ぶことに最初は違和感がありました。

サヨナラ

ブラジルでは、名前の意味をあまり考えずに響きがカッコいいからという理由で名前を付けるケースがあります。例えば、一時期、日本語の「サヨナラ」という名前を付けるのが流行った時期があります。
http://tabatashingo.com/top/nomes-no-brasil/

クリスチャン・ネーム

カトリック人口の多いブラジルでは、聖書の登場人物に因んだ名前を付けることが良くあります。例えば、ルーカス、ジョゼ、ジョアン、パウロ、サウロ、エマヌエル、ガブリエル、マリアなどがあります。また、聖人の名前の他に、マリア・ドス・ドーリス(苦痛のマリア)、モニカ・パイション(受難のモニカ)、パウロ・エバンジェリスタ(プロテスタントのパウロ)という変わった名前もあります。

キリスト裁判に関連のある人々

先日、ニコデモスという名前の人に会いました。日本では「ニコデモ」という名前で知られる彼は、イエスに反対するパリサイ派の一員でしたが、イエスの活動に好意的であったようで、イエスの処刑後、埋葬のために香料を持参しています。聖書の登場人物の名前ではレアなニコデモの名前を付けているのが気になったので、調べてみたところ、ニコデモは、カトリックでは聖ニコデモとして崇拝されているようです。彼は、キリスト裁判の模様を詳述したニコデモ福音書も書いています。IBGEの統計で調べたところ、ニコデモスという名前のブラジル人は2,646人いました。

ついでなので、キリストの裁判に関連のある人についても調べて見ました。まず、当時のユダヤの王であり、キリストが生まれた時に、キリストを殺すためにベツレヘムの幼児を虐殺したとされるヘロデ王(Herodes)と同じ名前のブラジル人は55名いました。

キリストの裁判の時のユダヤのローマ総督であり、イエスの処刑を命じたピラト(Pôncio Pilatos)と同じ名前のブラジル人は40名いました。

そのピラトがイエスの代わりに特赦した殺人犯である、バラバ(Barrabás)、さらに、当時のユダヤの大祭司であり、イエスの裁判を行い、ピラトにイエスの磔刑を求めたカイアファ(Caifás)の両名については、さすがに同名のブラジル人は存在しませんでした。

犯罪者の名前がイエス

聖人の名前の他に、神の子であるジェズース(Jesus)の名前を付ける人も珍しくありません。有名どころでは、サッカーブラジル代表のガブリエル・ジェズース(Gabriel Jesus)やマドンナの元彼でモデルのジェズース・ルス(Jesus Luz)が居ます。日本でいえば、仏陀とか釈迦という名前を付けるようなもんでしょうか。日本ではキラキラネームの範疇になりそうですが、ブラジルでジェズースという名前はわりと普通の名前として使われていて、3万3千人います。

数は少ないですが、デウス(Deus)と言う名前の人も2010年時点で234名存在します。デウスというのは、ビックリマンチョコのスーパーゼウスで馴染みがある方も多いと思いますが、「神」という意味です。

ブラジルのニュースでは、犯罪者が捕えられた時に本人を動画で映し出すことが珍しくないのですが、殺人事件で捕まった犯人の名前が「ジェズース」と映し出された時は、とても皮肉だと感じました。彼は殺人を犯しただけで大きな罪を犯していますが、それに加えて、神の名を冒涜したという罪まで加わりそうです。