サンパウロのサッカー博物館に行く前の予習

先日、日本からブラジルに来た人にサンパウロの観光案内をするという重要な任務を負いました。筆者は、サンパウロから遠く離れたブラジル北東部に住んでいるため、サンパウロの案内役は心もとなかったのですが、何人かに勧められた「サッカー博物館(o Museu do Futebol)」に行って見ることにしました。

サッカー好きじゃなければ楽しめないかもしれないと心配していたのですが、実際に行って見ると、サッカーについて詳しくない人でも十分に楽しめる展示内容となっており、お客さんには満足してもらえたと思います。

概要


サッカー博物館は、1940年に建設されたパカエンブー・スタジアム内にある施設です。博物館がオープンしたのは建物ができた年から68年後の2008年のことでした。ブラジルは1958年と1962年に開催されたサッカー・ワールドカップにおいて、2回連続で優勝していますが、その時のコーディネーターであった実業家のパウロ・マシャード・デ・カルバーリョ(Paulo Machado de Carvalho)の名前がスタジアムの正式名称になっています。

サッカー博物館の展示内容


エントランスから伸びるエスカレーターに乗ると、スーツを着たペレ(の映像)が「サッカースタジアムにようこそ」と言って、歓迎してくれます。

ホログラムで映し出されるブラジルの歴代名選手たち

映像コーナー


昔の映像が見られるコーナーがあり、ブラジルがワールドカップで初めて優勝した1958年のペレやガリンシャの活躍を見ることができます。

高揚(exaltação)


映像コーナーの次は、観客席を裏側から見ることができる階段の踊り場にでます。このコーナーでは、熱狂的なサポーターがチームを応援する映像と大音響が響きます。文字通り、ブラジル人サポーターの高揚の熱気に包まれる感覚を体験できます。

起源(Origens)


こちらのコーナーでは、ブラジルサッカー黎明期のものと思われる白黒の写真が展示されています。

ワールドカップ


こちらの場所では、過去のワールドカップの様子とその時代の大きな出来事をカラー写真でふり返ることができます。ブラジルは、ワールドカップに5回優勝しており、世界で最も優勝回数の多い国です。ブラジルが優勝した年の展示コーナーには、★マークが付いているので、分かりやすいです。事前に映画『ペレ 伝説の誕生』を見ていたので、サッカーに疎い筆者でも楽しめました。まだ、見たことが無い方は、博物館に行く前にチェックしておくことをおすすめします。

なぜ背番号10がエース?映画『ペレ 伝説の誕生』
itunesで映画『ペレ 伝説の誕生』をレンタルしていたので、早速週末にダウンロードして観ました。出演しているブラジル人が何故か英語をしゃべっている点は残念でしたが、それ以外は非常に面白い映画でした。有名だけど意外と知らないペレの波乱万丈な人生を知る...

ブラジルが三度目の優勝を果たした時の写真(こぶしを上げて喜ぶペレ)

2014年にブラジルで開催されたW杯の代表メンバー
ブラジルはこの時のコロンビア戦でネイマールを失い、ミネイロンの惨劇のきっかけを生みました。

1950年にブラジルで開催されたワールドカップで、ブラジルがウルグアイにまけて優勝を逃した、いわゆる「マラカナンの悲劇」の様子もミニシアター形式で観ることができます。

ペレとガリンシャ

ブラジルサッカー界の2大アイドル、ペレとガリンシャのコーナー。

ブラジルサッカーにまつわる記録


累積得点王1,282ゴール(1956-1977年ペレ)
最大観客動員数155,523人(1983年サントスVSフラメンゴ)
最低観客動員数55人(1997年ジュヴェントゥージVSポルトゲーザ)
ゴール最短記録3.17秒(2003年フレッジ)
最大得点24対0点(1909年ボッタフォーゴVSマンゲイラ)

学習コーナー


紀元前2500年頃、中国の黄帝の時代に、殺した敵の頭蓋骨を蹴るのが一般的だったと書いてあります。

ブラジルサッカーの父


チャールズ・ミラー(Charles Miller)は、1874年、スコットランド人の父とブラジル人の母の息子としてサンパウロ生まれた人です。イギリスに長く留学し、その時にサッカーに出会いました。20歳でブラジルに帰国した時に、サッカーボール2つ、空気入れ、サッカーシューズ、ルールブックを持ち込み、サッカーを始めたことから、ブラジルサッカーの父と呼ばれています。

いろんなボール


ブラジル人がサッカーボールの代わりに蹴っているもの。
くつした、人形の頭、ひょうたん、小石、マッチ箱、新聞紙、空き缶。

サッカーから派生したスラング


四角いボール(Bola Quadrada)
サッカーボールが四角いのはあり得ないですが、四角いのではないかと言うほど、下手くそなプレーのことを「四角いボール」と呼ぶそうです。

格言

クラッキ(名選手)は敵チームからですら心酔させる者でなければならない。(テレ・サンタナ、監督)
O craque deve ser admirado até pelos adversários.(Telê Santana, Têcnico)

サッカーはスタジアムでするのか?サッカーは海辺でするもの、サッカーは道端でするもの、サッカーは心でするものである(カルロス・ドルモンド・デ・アンドラーデ、詩人)
Futebol se joga no estádio? Futebol se joga na praia, futebol se joga na rua, futebol se joga na alma. (Carlos Drummond de Andrade, Poeta)

テクニックの名前


ブラジルサッカーで使われるテクニックが紹介されています。

自転車(Bicicleta)

オーバーヘッドシュートのこと。

電気を切る(Corta-luz)

敵の間をすり抜けるパスを出すこと

オリンピック・ゴール(Gol Olímpico)

コーナーキックで得点を決めること

実際に蹴ってみよう


博物館の終わりには、実際にボールを蹴って、得点を入れることのできるゲームがあります。球の速度なども図ってくれます。

知っておくべき情報

サッカー博物館は、パカエンブー・スタジアムで試合があるときには営業時間が変わるので、事前にウェブサイトで確認しておいた方が良いです。

タクシー乗り場がないので、流しのタクシーを捕まえるのに苦労しました。タクシーで行く場合には、タクシーアプリを入れておくか、タクシー会社の電話番号を控えておくことをおすすめします。