世界で最も赤道に近い場所にあるワイナリー(Miolo)

年中暑い土地にワイナリー?

ペルナンブーコ州の州都レシフェから約780km内陸部にあるペトロリーナは、南緯9度、年間の平均最高気温が44℃、平均気温が32℃もある大変暑さの厳しい土地です。

グリコのウェブサイトでは、ワインの主な産地について次のように書かれていました。

ブドウは世界各地で作られていますが、良質なワインを醸すためのブドウとなると、生育条件が限られます。有名なワイン産地は、平均年間気温が10~20℃の間で、夏に十分な日照がある北緯30~50度、南緯20~40度の地域に集中しており、各地域に最も適したブドウの品種や栽培法のもと、それぞれの個性あるワインが生み出されています。
ワインの主な産地

平均年間気温が10~20℃というと、ペトロリーナはこの範囲からかなり外れています。サンフランシスコ河中流域にはワイナリーが六件ある(Bianchetti、Botticelli、Rio Sol、Miolo、Chateau Duccos、Garzira)と、初めて聞いた時には腑に落ちませんでした。

一年中暑い土地ですが、ブドウの剪定方法や、灌漑用水の量を調節することによって、ブドウの木に疑似的に冬を感じさせているのだということを教えてもらいました。一般的にはブドウの収穫は、年に1回だけですが、サンフランシスコ河中流域では年に2回収穫できるということです。これに関して、『現代ブラジル辞典』で、西沢利栄氏は次のように書いています。

熱帯半乾燥気候のカーチンガ植生地域のペトロリーナ・ジュアゼイロ双子都市周辺が熱帯果実栽培のメッカとして発展したのは、ブラジル日系人の努力と先見性と創造性の賜物である。その歴史の中で忘れることができないのは、山本守さんの新ブドウ栽培法創出である。サンパウロ州のジャガイモ栽培農家に生まれた山本さんは、イスラエルやカルフォルニアなどの灌漑農業地帯を視察後、半乾燥気候のノルデステ内陸のこの地に、年2回収穫できるブドウの栽培法を創出したパイオニアである。陽の光と気温に恵まれた半乾燥気候地域で、サンフランシスコ川の水を利用してブドウ栽培の季節を人工的に年2回にしたのである(19ページ)。

この度、山本さんが1980年に始めたワイナリー、オウロヴェルジ農園を見学してきました(オウロヴェルジ農園は、現在はミオーロ・ワイン・グループが経営しています。)

何もない場所に広がる広大なブドウ畑とワイナリー

オウロヴェルジ農園は、サンタナ・ド・ソブラードという小さな町の近くにあります。このサンタナ・ド・ソブラードという町は、国道の両脇に家や商店、教会などが立ち並ぶ典型的なブラジルの田舎町で、過積載のトラックが頻繁に通ることにより、アスファルトの道がぐにゃぐにゃになり、アスファルトなのに轍ができています。そこら中に穴ぼこが空いていて、タイヤが穴に落ちないように運転しなければなりません。強烈な太陽光線の下では、砂埃の舞うなか、住人やヤギ、野良犬がうろうろしています。

そんな、小さな町からほど近いところに、突如姿を現す広大なブドウ畑と近代的なワイナリーがオウロヴェルジ農園です。この極端さは日本ではなかなか味わうことができません。

巨大な門を潜ると、果てしないブドウ畑が広がります。
先の方に見える、ゴマのようなものがワイナリー。両サイドに広がるのはブドウ畑。
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ワイナリーに到着するまで、車でしばらく走ります。
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ツアーに参加して、ワイナリーを見学しました。
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ここでは、ブドウのアルコール分のみを抽出し、度数80%のアルコールを蒸留しています。
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蒸留したアルコールからブランデーを作っています。
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樽で醸造されるワイン。
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ビジターセンターでは、ミオーロのワインが5%オフで買えます。
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最後に試飲もさせてくれます。
一通り、ワインの飲み方をレクチャーした後、赤ワイン、ブドウジュース、ブランデー、スパークリングワインを試飲させてもらいました。
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赤ワインはテーブルに2つ並んでいました。
一緒に行った嫁さんが、最初に飲んだ赤ワインは香りが好きではないと言っていたので、もう一つの方を手に取って、レクチャーに従って、グラスに鼻を近づけて香りを嗅いでみました。すると、とてもフルーティーで良い香りがしました。
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「このワイン、めっちゃいい匂いするよ。こっちだったら気に入るよ。」とちょっと得意げに言ったところ、一緒に行ったブラジル人から、「シンゴ、それはブドウ・ジュースだぜ。」と突っ込まれてしまいました。そうです、ぼくにはワインとジュースの違いも区別できませんでした・・・。
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