マトゥート(田舎者)一年ぶりに大都会へ行く

ぼくの住む地域では、田舎者をマトゥート(matuto)と呼びます。ペルナンブーコ州の州都レシフェから西へ800km弱内陸に行った場所にあるペトロリーナという田舎に住んでいます。田舎ですから、スーツなんて着ているのは教会に行くキリスト教信者くらいしかいません。普段はジーパンにポロシャツで仕事をしています。

出張で一年ぶりにサンパウロに行ってきました。ブラジル日本商工会議所が主催する昼食定例会なるものに参加し、3分スピーチをやる羽目になってしまったのです。というわけで、一年ぶりにホコリを被っていたスーツを引っ張り出してきて、慣れない革靴を履いて定例会の開催される場所に向かいました。

場所は、南米屈指の美術館ともいわれるサンパウロ美術館(MASP)のすぐそばの高級ホテル(Tivoli)です。会場が開くまでは、カクテル・タイムがあり、ウェイターがワインやらウイスキーやらを配って回ります。開場間近ともなると、その場はスーツを着たオジサンたちで埋め尽くされ、みなさん名刺交換されたり、四方山話に講じたりされていました。ざっと見まわした感じによると、参加者は50代くらいの方が多いようでした。たぶん、ぼくは最年少だったのではないかとおもいます。

余談ですが、最近では「ずいぶん若い人だね。おいくつですか?」と聞かれて、「33です。」と答えると、「うーん、思ったほど若くないんだね。むにゃむにゃ…」というビミョーな会話が交わされる中途半端な年ごろになってきました。

日本では、名刺を両手で持って名刺入れの上に置いて「よろしくお願い致します。」「頂戴いたします。」「ペコリ」という一連の儀式がありますが、これを久しぶりにやったので肩が凝ってしまいました。ペルナンブーコでは、名刺は片手で渡したり、机の上を滑らせて渡すこともあります。ツワモノになると相手の目の前でスッと名刺を止めるという曲芸の持ち主もいたりします。名刺交換が多い場合には、ポーカーでもやるのかと思うような気軽さで配ることもあります。

名刺は多めに持ってきたつもりだったのですが、途中で在庫切れとなってしまいました。名刺入れがパンパンです。

さて、カクテルタイムも終わり、会場が開かれたのですが、中に入ると結婚式場のような大広間となっており、丸テーブルが所狭しと並べてありました。今日の出席者は140名弱とのこと。席順はくじ引きで決めます。ゲストにはパラナー州の州知事、サンパウロ領事(関口女史)がいらっしゃっていました。

勉強会のようなものを想像していたのですが、実際にはブラジルの日系企業同士が交流することが主な目的なようで、商工会議所に新規加入した企業や、代表者交代などの挨拶をする時間がメインでした。

ワインを流し込んで、気持ちを落ち着かせてから3分スピーチに臨みましたが、久しぶりに緊張してしまい、ほぼ原稿の棒読みになってしまいました…。パーティーとか交流会とかいうたぐいのものは、どうも苦手です。地元のペトロリーナでヤギ肉やピラニア焼きをつつきながら話した方が、ずっと距離が近くなる気がします。

嬉しかったのは、何人かの方にMEGABRASILのコラムを読んでますよと言って頂けたことです。サンパウロに勤務されている方には意外とノルデスチ(ブラジル東北部)に行ったことがないという人もいるので、今後もマトゥート視点の記事を書き続けていきます。
http://megabrasil.jp/column/187