ボサノヴァの神様を生んだ、ジュアゼイロの謎

ブラジル北東部のバイーア州北部にジュアゼイロ(Juazeiro)という町があります。ボサノヴァの神様、ジョアン・ジルベルト(João Gilberto)やブラジルPop音楽の女王であるイベッチ・サンガーロ(Ivete Sangalo)、サッカーブラジル代表のダニエル・アウベス(Daniel Alves)を輩出したことでも知られるこの町は、州都のサルバドールとは比べものにならないほど小さい田舎町です。

ジュアゼイロの樹


ジュアゼイロの町の名前は、ジュアゼイロというナツメ属の樹の名前に由来しています。ジュアゼイロはジュア(Juá)と呼ばれる実を付けます。大きさはサクランボと同程度で、ビタミンCを豊富に含む甘い果実です。ジュアゼイロの樹にはトゲが生えていることから、トゥピ語で「イウア(iu-à)=トゲのある果実」と名付けられ、ポルトガル語ではジュアと呼ばれるようになりました。

ブラジル北東部のセルトンと呼ばれる乾燥地帯には、このジュアゼイロが多く自生しています。ジュアゼイロは、セルトンの厳しい環境にも順応し、葉を沢山つけるので、強烈な太陽の日差しを避けるための日陰を提供してくれます。

昔、ブラジル南部から家畜等の行商人が北部に向かう時に、このジュアゼイロの日陰が休憩所として利用されていました。そのうちにこの地域に人々が住むようになり、「道の駅ジュアゼイロ(Passagem do Juazeiro)」という集落ができたのが、この町のはじまりでした。1978年にサンフランシスコ河を利用した南米最大の人造湖(ソブラジーニョ)が建設され、現在では灌漑農業(特に、ブドウとマンゴー)を主要産業として発展しています。

ジュアゼイロの樹でホワイトニング!?

ジュアゼイロの樹は、セルトンの人々に日陰を提供するだけにとどまらず、様々な恩恵をもたらしてくれます。ジュアゼイロの活用例の一つが、歯のホワイトニングです。

ジュアゼイロの樹の内皮にはサポニンとよばれる化合物が含まれており、内皮を粉にして水に溶かすと良く泡立ちます。これを歯磨き粉として使うと、黄ばんだ歯を白くする効果があると言われています。また、市販の歯磨き粉よりもプラーク除去の効果が高いと指摘する専門家の評価もあります。

他にも、内皮と葉っぱを煎じたものをシャンプーにして頭を洗うと、フケ、シラミ防止に効果があり、うがい薬として利用すると歯肉炎を予防することができるという説もありました。