文章を書く人は必読!ジャパネットたかたの伝え方

先日、アマゾン河口のベレンに出張した時の機内で、ジャパネットたかたの創業者、髙田明さんの初の自書を読みました。

伝えることから始めよう
高田 明
東洋経済新報社
売り上げランキング: 309

前半で髙田明氏のビジネス人生、後半ではテレビショッピングで体得した「伝え方の極意」を紹介しています。前半は自叙伝なので、若干退屈だったのですが、後半からは役に立つ金言が沢山詰まっていて、ベレンまでの4時間強の飛行時間で休憩なしで読みふけってしまいました。ビジネス本を紹介するメールマガジンで有名な土井英司さんが、絶対「買い」の本です、と絶賛していたので買ってみたのですが、実際に読んでみて本当に良かったと思います。

髙田明さんの経営に対する真摯な姿勢や考え方は、非常に勉強になりますが、中でも勉強になったのが、本のタイトルにもある「伝え方」に関する部分でした。「伝える力」は、どんな場面でも必要なスキルですが、自分の場合はレポートやメール、ブログで文章を書く機会が多いので、非常に勉強になりました。具体例を挙げてご紹介します。

髙田式「伝え方」

ウォーキング・シューズを販売する時のエピソードとして、最初からシューズの機能をいくら説明しても、面白くないので関心を持ってもらえないという話がありました。髙田氏がシューズを販売する際には、シューズそのものにフォーカスを当てるのではなく、シューズがあると生活がどのように良くなるのかという点にフォーカスを当てます。

普段の生活でこんなことはありませんか。立った姿勢で靴下をはくのがきつくなった。買い物カゴを持つのが辛くなった。布団の上げ下ろしがしんどい。だったら足腰を鍛えましょうよ。街中を見てください。ウォーキングしている人が多いでしょう。

まず、人々が日常的に感じているだろう事柄にフォーカスを当て、ウォーキングの必要性を喚起し、その上でシューズの紹介に繋げていきます。

一眼レフカメラを販売する時は、こんな話をしています。

お子さんが生まれたら、毎年1枚いいカメラを使って写真を撮って、それを新聞の大きさに伸ばしてください。すると成人の日までに20枚の大きな写真が揃いますよ。それをお子さんにプレゼントするんです。最高の贈り物になると思いませんか? それができるのが、いいカメラなんです。皆さん、スマートフォンで撮りますね。でも、だれもプリントしない。それでは感動は生み出せませんよ。

思わず自分の子供の毎年の成長を思い浮かべてしまいますね。

いかに素晴らしい機能をもった商品でも、それが人々の求めているものとつながらなければ、意味がありません。商品の良さを「伝える」ためには、まず人々が潜在意識で求めていることを具体的にイメージできるように提示し、その商品があると、いかに人生が良くなるのかという説明にフォーカスを当てるのです。

これは何も商売に限ったことではなく、メールや報告書、論文などの文章を書く際にも使える伝え方だと思います。ある文章に、いくら有用な情報が詰まっていたとしても、それを読んでもらわなければ、その文章はなかったのと同じようなことになってしまいます。文章を書く際には、著者が「書きたいこと」にフォーカスするのではなく、読者が「その文章を読んで良かった」と感じるような文章を書くことにフォーカスするのです。

自分も日常で発見した面白かったことをこのブログで紹介しているのですが、ついつい「書きたいこと」にフォーカスしすぎて、独りよがりな文章になってしまっていることが多いと反省しました。これからはもう少し、読んで下さる方のことを意識しながら、書いてみようと思いました。日常的に文章を書く方にはもちろん、「伝える力」を強化したい全ての人におすすめの本です。

伝えることから始めよう
高田 明
東洋経済新報社
売り上げランキング: 309

ついでながら、この本では文体が、テレビショッピングで喋っている髙田氏そのままの情熱的な語り口調で、テンションが高いのも特徴的です。本を読み終わった後、思わずYoutubeでジャパネットたかたの動画を検索して再生してしまいました。