怒りをコントロールする技術

この世は自分を楽しくさせるために動いてくれているわけではないので、望まなくとも腹立たしい状況が降りかかってきます。このような状況を起こらないようにすることはできませんが、発生した状況を、どう受け止めるかと言うのは自分でコントロールができます。

怒りは受け止めるのではなく、かわす

学生時代に合気道をやっていたのですが、合気道を通して腹立たしい状況への対峙の仕方を学びました。

合気道は膂力に頼らずに相手を倒すことのできる武道です。合気道では、自分の力ではなく、相手の力を利用します。相手に力が入っていれば、それだけこちらが技を掛けたときの相手のダメージが大きくなります。

ダメージを受けないためには、相手の力の流れを読んで、その流れの方向に身をかわさなければなりません。身をかわしたうえで、相手のエネルギーをうまく利用することで、力をいれずに相手を倒すことができます。

腹立たしい状況に遭遇した時にも、そのエネルギーを正面から受け止めるのではなく、合気道のように身をかわす方法が有効です。

感情をコントロールするのは自分の責任

怒りをぶちまけても、腹立たしい状況は改善されることはありません。むしろ、怒りと悲しみの感情が膨張してきます。このような状況に遭遇した場合、やるべきことは感情を発散させることではなく、穏やかな心で解決策を探ることなのだと思います。

リッチー・ノートン氏が著書の中で、自分の妻のナタリーが子供の時に母親に教えられたというエピソードを紹介しています。当時子供だったナタリーは、スーパーマーケットで甘いお菓子を買ってもらえなくて、お母さんを困らせていました。

どうしても母を怒らせたくて、最後の最後に私は泣きながら大声でこう言ったの。「ママ、私が怒ってるのはママのせいなのよ!」  すると、これでもかというほど穏やかな調子で母は答えたわ。「ちょっと待って。ナタリーが怒るとき、本当にナタリーを怒らせているのは誰かしら」  私は生まれてからずっと、この見事な母にいろいろ教わってきたけれど、今でも感謝しているのがこの日のできごとなの。その日、スーパーマーケットで、自分のふるまいの責任は自分が取るしかないと母に教えられたのよ。たとえ何があっても、自分の責任者はいつも自分なのだと。
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エラそうなことを書いた自分も、怒りをいつでもコントロールできるわけではありません。しかし、怒りの感情が発生した時に、「この感情が起こった理由は何なのか」「ここでどう対処したら、より良くなるのか」と意識するようにしていれば、怒りをぶちまけて状況を悪化させるだけの失態を演じることも少なくなると思っています。

裁く人ではなく、光を照らす人になる。批判するのではなく、模範になる。問題をつくり出すのではなく、自らが問題を解決する一助となる。‐スティーブン・R・コヴィー