ブラジルには自由の女神像が100体近くあるって知ってました?

ある日の夕方、一日の仕事を終えて自宅に帰る車に乗って何気なく前を見ていたら、いつもとは違う異様な光景が目に飛び込んできました。それは、ピンク色に照らし出された神殿と、40メートルの巨大な自由の女神像です。

ベレンに行った時にも中国人の経営する輸入雑貨屋の前にブサイクな自由の女神が立っていましたので、また、中国資本かと思ったのですが、調べたらブラジル人の仕業でした。これは、サンタカタリーナ州に拠点を持つHAVAN(アバン)という雑貨屋の店舗だったのです。

ブラジル全土に100店舗近くあるそうです。各店舗には、トレードマークである自由の女神像が鎮座しているようです。数だけで言えば、ブラジルは世界で最も自由の女神が沢山ある国だと思います。その高さも気合が入っていて、40~50メートルという巨大な高さを持っています。本場ニューヨークの像は約46メートル、台座を入れると約92メートルというので、およそ半分くらいのサイズはあります。
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自由の女神はニューヨーク港内リバティー島にある女神像。米国の独立100周年を記念して、フランス国民が贈呈したもので、1886年に落成。正式名は「世界を照らす自由」で、右手にたいまつ、左手に独立宣言を持つ。(デジタル大辞泉)

それにしても、ペトロリーナという田舎町に突然姿を現した40メートルの自由の女神像はケッタイ以外の何物でもないですよ。田舎なので高い建物がありませんから、至る所から自由の女神像を拝むことができます。どうせだったら、ブラジルの独立史に関係するチラデンテスとかドン・ペドロの巨大像にでもすればよかったのに…。

開高健は著書『オーパ!』の中で次のように書いています。

「……アメリカのディズニー・パーク、香港のタイガー・バーム・パーク、ドイツのルドウィッフィ二世のノイシュヴァンシュタインの城、こういうのを狂気の芸術といいたいんだけど、おれはブラジリアもそうだと思っていた。芸術雑誌や建築雑誌で写真を見るたびにそう思っていた。とてつもない狂気の芸術だと思っていた。しかし、どうも、この国へ来ていろいろと極端なものの共存ぶりを見たあとじゃ、狂気とはいえなくなったみたいだ。」
「そうですね。極端ではあるけど狂気という印象はないですね。すげェといって、とどのつまり呆れて吹きだしたくなる。そういうことはありますけどね。どえらいものをつくってくれちゃったなあ。」

今更ですが、開高健『オーパ!』をむさぼり読んでしまいました。
以前、日本から来た方(仮に石田さんとしておきます)と一緒にベレンに行きました。昼飯の時に河の近くまで行ったので、河辺まで歩いて行ってみました。石田さんは、とろんとおしるこみたいに黄濁した水を手ですくって、ペロリと舐めてしまいました。それで、「極上中汲...

この50メートルの自由の女神像を100体こしらえるというのも、開高の言う「極端」のひとつなんだろうなあ。ブラジル人は極端なものが共存している様を日常的に見ているから、鷹揚な人が多いのかなあとも思いますね。

極端な首都ができるまでのストーリー。
http://tabatashingo.com/top/brasilia/

余談ですが、ニューヨークはブラジルからの移民が発展させたという説もあります。
http://tabatashingo.com/top/jewish-from-brazil/