夫婦喧嘩が絶えない時に読む本

くだらないことで夫婦喧嘩をすることが良くあります。後から考えても本当にくだらないので、何とかこのようなケンカを失くしたいと最近試行錯誤しています。

海外旅行でどの国へ行くかでケンカ

海外旅行にどこへ行くかで妻と何度かもめました。現在、ブラジルに住んでいる関係もあって、一度はかつての宗主国であるポルトガルに行ってみたいと前々から思っていました。そのためにポルトガルの歴史、地理を学び、ガイドブックを日本から取り寄せ、下調べをしてきました。

色々と調べて楽しくなっている所に、妻から不満そうに次のように言われました。「どうして、一人で色々と決めてしまうの?」このコメントを受けて、私は言い返しました。「決める?決めたわけじゃなくて、情報収集しているだけだよ。ほら、ポルトガルの素晴らしさを(妻に)プレゼンするのに、ポルトガルのことを知らないと説明できないだろ

その後、なんとか“説得”して、妻も一度はポルトガルに行くことを納得してくれました。少なくとも私はそう認識していました。ブラジルからポルトガルに行く便を調べたところ、スペイン経由で安い便が出てきました。フライトの予定も大体決まり、ポルトガルで具体的にどの町に行くかを調べている時に、妻から言われました。「なんで、あえてポルトガルなの?ポルトガルって、ヨーロッパの中では辺境だよね。飛行機はスペイン経由なんだから、スペインだけでいいじゃん

この時、心は既にポルトガルに決まっていた私は、なぜ妻がいまさらそれに水を差すのか理解できず、こう返しました。「いや、おれポルトガル行きたいって前々から言ってるし、その為の情報収集をしているの知ってるでしょ?この間、ポルトガルでいいって言ってたよね。なんで、今更スペインが出てくるわけ?じゃあ、スペインに行きたい理由を具体的に述べて見ろよ

この時、既にお互いに頭に血が上っていたので、いくつか無益な言い合いをした後、私の怒りは沸点に達し、手に持っていたポルトガルのガイドブックを妻の側の地面に叩きつけて、「そんなら勝手にしろ~、ポルトガルになんか行くかボケェ~!」とキレてしまいました。(念のためいうと、妻には本を当てていません。)

改めて文書にしてみると、非常にくだらないことですが、その時は大きく感情を揺さぶられたことを記憶しています。

「自分は正しい」は正しいか?

このような些細なことで衝突することが多いので、このままではイカンと思い、夫婦円満の秘訣を書いた本を何冊か読みあさりました。中でも、一番響いたのは『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』という本の内容でした。アマゾンでもレビュー件数200件以上あり、かなり評価も高かったので、買って読んでみました。

自分でも思うのですが、妻とケンカをするとき、いつも私は「自分は悪くない」と自己正当化してしまう傾向があるようです。ケンカの時も、妻から「自分が100%正しいと思っているんでしょ」と良く言われてしまいます。

例えば、妻以外の女性と2人で食事に行ったとか、妻の日記を勝手に読んだとか、妻の物を勝手に使ったとかが原因でケンカになった場合、悪いのは100%こちらだと分かっているので、素直に謝ることができます。(ちなみに、そういう過ちを犯したことは有りません。)

ほとんどの場合、ケンカの原因は私(男)にとっては「言いがかり」であり、「自分が悪いことをした」という自覚が皆無なケースが多いです。「えっ?何でそんなことで怒られなきゃいけないの?全然理解できないんだけど」という気持ちで胸がいっぱいなのです。

件の本には、そんな私のためにこんなことが書かれていました。

人間というのは、一部しか見ていない──そもそも立っている場所も、見ているものもまったく違う──にもかかわらず、すべてを理解した気になって、「自分は正しい」と思い込んでいる、ということです。  人と人とが関わるときには、必ず見解の違いが出てきます。 「これは、どう考えても、自分のほうが正しい」と、考えることもありますよね。  しかし「どう考えても」というその「考え」は、自分のアタマで考えたことである以上、「どう考えても」自分の考えしか出てきません。

そう、神様でもない限り100%客観的な判断は降せないので、「どう考えても、自分のほうが正しい」という考えは、その時点で矛盾を内包しているのです。

海外旅行先でもめたケースを冷静に考えると、以下のような問題点がありました。

  • 女性は結果よりも「プロセス」を大切にする傾向があると何かの本で読みました。振り返ってみると、ポルトガルの情報収集の際に、妻を置き去りにしていたように思います。
  • 「情報収集しているだけ」と言いながら、「おれは既にこれだけ調べている」という既成事実を作り、外堀を埋めていなかったか。

お恥ずかしい話ながら、私もこうして文章にした時に、「なんて私は自分勝手な考え方をしていたんだろう」と気がつきました。本では、「自分は正しいという考えは間違っている」と明確に否定しています。私も、冷静に自分の言動を見つめなおして、自分の考えが誤っていたことに気が付いたのです。

本の著者は、次のように考えることを提案しています。

「正しい自分」でいるより、「素直な自分」でいるほうが、魅力的だと思いませんか。人の話をよく聞けること、ものわかりがよいこと、心を開いて話し合えること。そういう自分のほうが幸せになれると思うのですが、いかがでしょうか。

確かに、自分の正しさを主張すればするほど、妻とのケンカはこじれるばかりだったと思います。この時に相手の立場になって考える余地はありませんでした。

怒りを感じた時の対処は次のように説明しています。

反応せずに、まず理解する──これが、悩みを解決する秘訣です。特に「心の状態を見る」という習慣を持つことで、日頃のストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」をおさえることが可能になります。

つまり、「自分は正しい」と考えるのではなく、「相手はどうしてそのように言うのか」「
相手がそう感じるのは、私が何をしたからなのだろう」と素直な心で問いかけてみるのが大切なのだと思います。

後日談

本を読んだ後、何度か「反応しない練習」をしてみました。そして、妻に「おれは、もう怒らないことにしたんだ」と得意げに言うと、妻からは「怒らないというけど、無視してるように見えるよ?」と言われてしまいました。

妻から「いいがかり」とも思えることを言われた時、これまでは「怒り」で返していたのが多かったように思います。本を読んでからは「ここで怒ってはいかんぞ」と自分に言い聞かせて怒りを抑えるようにしました。それが無視しているように見えたようです。少なくとも、怒りのままに感情をぶつけることは少なくなったのではないかと思います。

私が悟りを開けるのは、まだまだ先の話になりそうです。

日頃、パートナー等とケンカが絶えないという方は是非読んでみてください。