レシフェの町が再び「北斗の拳」の世界に?軍警察のストライキ

ブラジルでワールドカップが開催された2014年6月から遡ること一ヵ月、レシフェの町が「北斗の拳」の世界のようになったのを覚えています。ブラジルにおいては、ストライキがしばしば行われますが、2014年5月は、ペルナンブーコ州で町の治安を維持する軍警察(Polícia Militar)がストライキを実施しました。「greve policia militar recife 2014」等の検索ワードで画像検索すれば、当時の様子が分かります。

軍警察がストライキをすると、町は無警察状態となります。犯罪を犯しても、それを取り締まる警察が居ないのです。低所得層の人々は、ここぞとばかりに電化製品の店などに押し入り、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などを盗んで逃げていきます。

テレビのニュースで、レシフェの様子を見たとき、アニメ『北斗の拳』の主題歌『愛をとりもどせ!!』が脳内を駆け巡りました。店に押し入り、電化製品を抱えて走る男、狂喜の表情を浮かべて走り回る男、おびえる店主達の様子が、まさに「北斗の拳」の世界そっくりだったからです。

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「愛をとりもどせ!!」「ユリア・・・永遠に」ライブ
ムッシュ吉崎が、レイザーラモンHGに見えてしまいます。

最終的には、陸軍も投入され、混乱が鎮圧され、三日間でストライキは終結しましたが、ブラジルで警察機能がマヒするとどういうことが起こるのかということが生々しい映像を通して露わになりました。軍警察側の代表であるジョエル・マウリーノ氏は、「ペルナンブーコの皆さんをこれ以上苦しませることができないため、ストライキを止めました。”Paramos porque entendemos que a sociedade pernambucana não pode continuar sofrendo”」と言ったそうです。

本当にそう思っていたのであれば、ストライキに入る前に、陸軍を代替的に投入して、市民の安全を確保したうえでストライキやってたと思うんですよね。この人は、絶対に市民の安全なんか考えて居ないと思います。

ペルナンブーコ州の軍警察はストライキの終結を決定(ポルトガル語サイト)

再びレシフェが北斗の拳の世界に?

今月、ペルナンブーコ州の軍警察と消防士がストライキを実施する可能性が再び高まりました。すわ、あの悪夢が再び起こるのかと市民を脅かしましたが、結局州政府との交渉の結果、ストライキはしないことになりました。

4月27日に、約10時間に及ぶ話し合いの結果、軍警察と消防士は州政府からの提案をのんで、ストライキはしないことになりました。給料の昇給率6.5%となり、その他手当等(ユニフォームの費用に年700レアル、交通費に400レアルの補助)も付与されることが決定し、納得のいく水準に達したと考えられました。とにかく、今回は何事もなく平和に終わって良かったです。しかし、ユニフォームの費用や交通費すら支払われていなかったのかと思うと、軍警察と消防士が可哀そうです。

業種によって終結までの期間に差があるストライキ

日本では、ストライキというものが身近に感じられないですが、ブラジルでは各種の団体が年に一回程度行っています。ニュースでよく見るところとしては、銀行、学校、バス運転手、トラック運転手などが記憶にあります。

ストライキが終結するまでの期間は業種によって差があり、レシフェの軍警察のストライキは3日で終わりました。バス運転手のストライキは、交通マヒを招き、経済的損失が大きいので数日以内で終了します。その次に短いのは銀行です。

最もひどいのが、学校教師のストライキです。教師がストライキをしても、生徒が学校に通えなくなるだけで、差し迫った危機には陥りません。そのため、州政府も思い切った提案を出さないのか、2ヵ月もストライキが続くということもしばしば起こります。ストライキが終わった後は、生徒は遅れた分を取り戻すため、夏休み返上で勉強したり、卒業が遅れたりという影響を受けるようです。2ヵ月もストライキが終結しないというのは、州政府がストライキにより発生する影響の「緊急性」しか見ていないことを露呈するものですね。