ブラジルでは「Aさん、Bさん」をアラビア語、フランス語で言う

日本では、不特定の人物を差す時に、「Aさん、Bさん…」という表現をすることがありますが、ブラジルでは「フラーノ(Fulano)、ベルトラーノ(Beltrano)、シクラーノ(Sicrano)」と言っているのをしばしば耳にします。

英語のSuchに相当する単語であるtal(タウ)と合成して、フラーノ・ジ・タウ(Fulano de tal)という表現をすることも多いです(意味は、何とかかんとかという人)。
2016-06-16_2023

フラーノ(Fulano)の由来

はじめて聞いたときは、「フラーノ」と言うのは日本で言う太郎、花子のような固有名詞だと思っていたのですが、調べて見るとこの単語は何とアラビア語fulânから来ているようです。fulânというのは、英語でいうSuch、ポルトガル語でいうTalに相当する単語だそうです。

面白いことに、アラビア語である「フラーノ」がブラジルで使われているのは、中世において、アラビア人がイベリア半島を占拠していた時代に、アラビア語がスペイン語とポルトガル語に影響したことに由来しているのです。13世紀までは、fulanoは形容詞的に使用されていました。スペイン語ではfulana casa (その家)、 fulano sujeito (その家臣)というように使われていました。

ポルトガル語においては、名詞化して現在のように使われるようになっています。

ベルトラーノ(Beltrano)の由来

ベルトラーノ(Beltrano)は、同名のフランス人の名前に由来しています。中世の騎士団を描いたドラマで度々登場したことから、この名前が人口に膾炙し、「フラーノ」と同様に語尾が「アーノ」となっていることから、使われるようになったようです。

シクラーノ(Sicrano)の由来

シクラーノ(Sicrano)の由来は他の2つに比べると少しややこしいです。シクラーノの由来はいくつか説があります。ラテン語の人名(Securu)から来たとする説、アラビア語で酔っ払いを意味する「sicrán」、「sacrán」から来たとする説などがあるようです。

フラーノに関しては、本家アラビア語ではもちろん、スペイン語圏でも利用されているので、ブラジル以外の南米諸国などでも同様に通じるみたいです。

「alguém(誰か)」の代わりに「fulano」を使えば、少しポルトガル語の熟練度がアップした気になるかもしれないので、ぜひお試しください。