長い時間をかけて育てた鶏肉の需要が高まってます

昨日、ブラジル産鶏肉に関する記事を書いたのですが、今日も鶏肉関係のお話です。

ブラジル産鶏肉は、成長ホルモンを投与しているか??
牛などの赤身肉と比べて健康的で、かつ、安価なためブラジルにおいても消費量の多い鶏肉ですが、ブラジル動物性たんぱく質協会(ABPA)の調べによると、72%ものブラジル人が、ブラジル産の鶏肉には成長ホルモンが投与されていると考えているようです。 ブラジ...
ブラジルの経済紙、ヴァロール・エコノミコで「じっくり育てた鶏肉の需要の高まりが市場を変化させる圧力になる(ポルトガル語)」という面白い記事が出ていました。

「如何に早く育てるか」から、「より自然な飼育期間」へ

2016-05-10_2051
これまで、アメリカにおける養鶏産業は如何に鶏を“早く”成長させるかという目標に向かって突き進んできました。この50年間で鶏肉の成長するサイズは2倍に増えた一方で、育成に必要な時間は半分になっています。しかし、現在、消費者の中にこの流れにブレーキを掛けようとする流れが出てきています。

北米の企業(Whole Foods Market Inc.やStarbucks Corp.等)は、じっくり時間をかけて育てた鶏肉に消費者は高い金を払うと考え、効率性よりも、より自然な飼育方法で育てた鶏肉を仕入れる方向に動いているようです。

消費者はより自然に近い方法で作られた鶏肉を望む傾向が高まっています。この消費者の需要の変化は、製造コストの削減だけを追い求め続けてきたメーカーにとって、今後、劇的な変化をもたらすことになるかもしれません。

ホール・フーズ社のバイヤーは次のように説明しています。
「この変化は、動物愛護の精神とおいしさを追求した結果です。」

時間をかけて、より広いスペースで鶏を育てた場合のコストは通常のコストよりも20%から300%高くなる可能性があるようです。

鶏肉産業は何十年にもわたって、生産性の高い品種を掛けあわせて来て改良してきたことにより、生まれてくる鶏には深刻な病気や筋肉の問題、味の低下などの問題が発生しています。

最近では、JA57と呼ばれるハイブリッド種を少なくとも81日はかけて育成するケースや、ローワン・レンジャーと呼ばれる品種を56日かけて育成するケースなどが出てきています。ちなみに、一般的なブロイラーは40日間ほどで成鶏に育ちます。

既述のホール・フーズ社は、8年かけて鶏の品種を全て長時間かけて育つ品種に入れ替える計画を立てています。

消費者の嗜好が変化してきているとはいえ、長時間かけて育てる鶏肉の市場に占める割合は、現時点ではまだ1~3%にすぎません。

タイソンフーズなどの大手企業には、長時間かけて育てる鶏の市場が成長を続けることについて懐疑的な見方もあります。時間をかけて育てた場合、コストが高いだけではなく環境への負荷が高まるといいます(より多くの飼料、水を必要とする)。

動物愛護の精神

鶏肉に限らず、食肉の世界で経済効率を重視した場合には、不自然な方法による動物虐待が行われてしまいます。例えば、次のドイツのTV番組によると、鶏はヒヨコの段階でオスとメスに分けられ、タマゴを生まないオスは生まれたその日にCO2で殺処分されるそうです。

残留抗生物質の問題もゼロとは言えないですし、ぼくも家で頂く鶏肉を買うときは、なるべく自然に近い方法で育てられた商品を購入するようにします。