ブリガデイロはイケメン男子のために女性ファンが作った?

ブラジルの代表的なお菓子に「ブリガデイロ(Brigadeiro)」というものがあります。これは、練乳とチョコレートを混ぜた生地を丸めてから冷やし、上からトッピング用チョコレートをまぶしたお菓子です。ブラジル菓子に慣れていない人が食べると、びっくりするほどの甘さが特徴的です。

イケメンで独身の空軍旅団長

ブリガデイロの歴史は意外と浅く、戦後の1945年に誕生しています。ブリガデイロというのは、元々は菓子の名前ではなくて空軍の「旅団長」を差す言葉でした。

1945年、空軍旅団長のエドゥワルド・ゴメス(Eduardo Gomes)という人物が大統領選挙に出馬しました。ゴメスは、女性に大変人気があるモテ男で、選挙スローガンは「イケメンで独身のブリガデイロ(旅団長)に投票しよう“Vote no brigadeiro que é bonito e solteiro”」というふざけたものでした。

ブリガデイロは、女性ファンの手作りチョコ

ゴメスは彼の支持者(女性ファン?)を集めてサンパウロでパーティーを開きました。このパーティーにおいて、ゴメス・ファンの女性がチョコレート菓子を創作して配ることになりました。1945年は第二次世界大戦終結後でしたので、物資が不足することが多く、生乳を手に入れることが困難でした。そこで、女性達はコンデンスミルクを利用したお菓子を創作したのです。このお菓子が予想以上の好評を得ました。

チョコは成功を収めたが…

この成功を活用し、その後も「ブリガデイロ(旅団長)のお菓子」を食べようという呼びかけで、このお菓子は選挙の票稼ぎに利用されました。そのうちに、単に「ブリガデイロ(旅団長)」と呼ばれるようになりました。

ブリガデイロは大成功をおさめ、現代においてもブラジル人に愛され続けています。しかし、選挙の勝利をもたらすには至らず、イケメン旅団長は落選してしまいました。この時の選挙では、ドゥトラ大統領が誕生しました。

サンパウロの地下鉄ブリガデイロ駅

サンパウロの地下鉄リーニャ・ヴェルジに「ブリガデイロ駅」があります。サンパウロで地下鉄に乗った人なら、一度は停車したことのある駅のひとつでしょう。この駅名はお菓子の旅団長ゴメスとは関係ありません。

ポルトガル出身の旅団長に、ルイス・アントニオ・デ・ソウザ・ケイロス(Luís António de Sousa Queirós)という人物が居ました。彼はサンパウロの土地を多く所有する博愛主義者です。サンパウロには彼の名前をつけた「ブリガデイロ・ルイス・アントニオ大通り(Avenida Brigadeiro Luis Antônio)」があります。この通りに出来た地下鉄の駅なので、大通りの名を取って「ブリガデイロ」と名付けられました。