ブラックフライデーの由来とブラジルの詐欺

ブラックフライデー」という小売業界のイベントをご存知でしょうか。筆者はブラジルに来て初めて知りました。最近では日本でもイオンが「ブラックフライデー」を始めたとか。

ブラジルでは、毎年11月の第4金曜日にBlack FridayとかSexta-feira Negraと呼ばれるイベントがあります。ブラックフライデーは、商業施設等で大幅なディスカウントが行われるイベントで、テレビのニュースではショッピングセンターなどで、ブラジル人がセール中のテレビなどに群がる浅ましい映像を面白がって流します。

ブラックフライデーという言葉を聞いて、筆者が最初に連想したのは「ブラックマンデー(1987年に起こった世界的な株価大暴落)」です。ブラックという言葉から、ネガティブなイメージを想像しましたが、「ブラックフライデー」の場合はポジティブな意味でつかわれています。気になったので由来を調べてみました。

ウォール街の金融恐慌

実は「ブラックフライデー」という言葉は、「ブラックマンデー」よりもちょっぴり歴史が古く、1869年9月24日(金)の事件に由来しています。ウォール街で腕利きと言われた投機家2名(ジェイ・グールドとジム・フィスク)がグラント大統領の義弟とのコネを利用して金相場の値上げ操作をしたところ、その企みに気が付いたグラント大統領が市場に金を大量に放出したことで金の価格が暴落、金融恐慌が発生しました。その日が金曜日だったので、ブラックフライデーと呼ぶようになったということです。

このネガティブな出来事がいかにして、小売業界の一大イベントになったのか、それは米国の感謝祭とクリスマス商戦が関係しています。

米国の感謝祭

米国とカナダには「感謝祭(Thanksgiving Day)」と呼ばれる祝日があります。感謝祭は、アメリカ開拓者が新天地での初めての収穫を神に感謝した記念日です。米国では11月第4木曜日が感謝祭とされており、多くの州では翌日金曜日も休みになるので、この時期多くの人は4連休になります。

感謝祭に、アメリカ人は家族で集まって食事をします。この時に七面鳥の丸焼きが供されることが定番なので、感謝祭は別名「七面鳥の日」とも呼ばれます。

クリスマス商戦

感謝祭が終わった後、町はクリスマスのプレゼントを求める買い物客であふれ、交通渋滞を引き起こす光景が良く見られるようになりました。1950年頃からフィラデルフィアの警察はこの現象を「ブラックフライデー」と呼ぶようになりました。

1975年にはニューヨークタイムズ紙が「一年で最もショッピングセンターと道が混雑する日」として「ブラック」という形容詞が初めて使用されました。その後、この用語はフィラデルフィアに留まらず、全米に広がっていきました。

アメリカの小売業界においてクリスマスは非常に重要な時期です。1月から11月までの業績不振による「赤字」をクリスマス商戦で一気に「黒字」に変えることができる大切な時期なのです。多くの人々は感謝祭が終わった時からクリスマスモードに入りプレゼントの準備を始めます。

アメリカ小売業界において、赤字の業績を「黒字」にできる時期の初日ということで、「ブラックフライデー」という言葉が全国的に使われるようになったのは1980年頃からでした。

ブラジルにおけるブラックフライデー

アメリカ発の「ブラックフライデー」がブラジルにも持ち込まれたのは2010年のことで、段々と市民権を得てきているようです。インターネット通販のBusca Descontosが始めたのがブラジルで最初のブラックフライデーでした。

TVのニュースで「ブラックフライデー」について放送するときに、必ずと言っていいほど出てくるのがブラックフライデーに便乗した詐欺事件です。

例えば、2,000レアルの冷蔵庫をブラックフライデーに出すとします。この時、表示価格を4,000レアルに釣り上げたうえで、これに取り消し線を入れて、2,000レアルと表示し、50%OFFになったと見せかけるのです。このような行為は「ブラックフラウジ(Black Fraude)=黒い詐欺」という名前ができるほどありふれた話になっています。

フォーリャ・デ・サンパウロ紙が行った調査によると、ブラジルのブラックフライデーで販売される家電のうち48%は見せかけのディスカウントであるとの結果が出ていました。量販店別に言うと、Magazine Luizaが最も誠実で、Ponto Frioは見せかけのディスカウントが最も多いという結果でした。ブラックフライデーで家電を買う際には、Magazine Luizaに行くのが良いかもしれません。

個人的には、買い物はゆっくり楽しみたいのでブラックフライデーでテンションが上がることは無いですが、ニュースでテレビを奪い合うブラジル人の浅ましい映像↓を見るのはわりに好きです。