リスボンで人気のベレン地区を効率的に観光する方法

ポルトガルの首都リスボンを訪れる観光客がまず目指すのは、ベレン地区(Belém)です。ベレンは、イエス・キリスト生誕地でもある「ベツレヘム」のポルトガル語読みです。この地には、大航海時代の繫栄を象徴する建物がいくつかあり、リスボンで最も混雑するエリアです。特に、世界遺産に指定されている「ジェロニモス修道院」と「ベレンの塔」の混雑ぶりは土日のディズニーランドの行列を想像してもらえれば良いです。

ベレン地区への行き方

「ジェロニモス修道院」と「ベレンの塔」の営業開始は午前10時からなので、午前9時頃にホテルを出てベレン地区を目指します。15番の市電で行けるということなので、カイス・ド・ソドレ駅前(Cais do Sodre)で市電を待ったのですが、待てども待てども市電が来る気配がありませんでした。停留所は市電やバスを待つ人々でごった返していました。どうやら、この時間帯は通勤ラッシュのようで、道路が混雑しているため、市電がなかなか来ないのです。

しびれを切らした筆者は、タクシーで行こうかとも思ったのですが、目の前を通り過ぎるタクシーはどれも満車です。そこで、カイス・ド・ソドレ駅まで行き、オエイラス(Oeiras)行の電車に乗りました。電車なら時刻表通りですし、3駅(7分)でベレン地区に到着しました。最初から電車で行けばよかったと思いました。

カイス・ド・ソドレ駅

筆者の失敗

予定よりも少し遅れて、10時頃にジェロニモス修道院に到着したのですが、入り口の前に予想以上の人の山ができており、驚きました。全校集会でもやるんですか?というほどの数でした。開館前の10時は団体ツアー客が押し寄せて、大変な混雑です。

ガイドブックでは、国立考古学博物館のチケット売り場で共通券を購入すべし、とあったので筆者もそのアドバイスに従いました。しかし、ジェロニモス修道院と比較すると相当マシなものの、同じようなことを考える人も他にも居て、結局、共通券を購入するのに行列に20~30分並びました。しかも、ここで購入できるのは「ジェロニモス修道院」と「国立考古学博物館」のチケットのみで、「ベレンの塔」のチケットは販売してくれませんでした。思わぬ誤算です。

共通券をゲットしたものの、相変わらずジェロニモス修道院は殺人的に混雑していたので、まずは「発見のモニュメント」に行きました。そこで、30分ほど見学をし、ベレンの塔近くのレストランで昼食をとった後、ベレンの塔を観光することにしました。

しかし、ベレンの塔もやはり相当に混んでいました。日陰の無い炎天下で40分並ぶのはキツかったです。チケット売り場に長蛇の列ができているのですが、右側にはチケットを持っている人の入り口もありました。チケットを持っている人たちは、すいすいと中に入っていきます。

ベレンの塔の前の行列

結論として言えば、このベレンの塔、中に入ってみるとなぜここまで人気があるのか首をかしげるような残念な思いになりました。そのことを一緒にいた妻に言うと、「シンガポールのマーライオン見たときと同じくらいのガッカリ具合」と表現していました。周りを見ると、楽しそうな表情よりも、ガッカリした顔のほうが多かったように感じました。詳しくは改めて書きますが、ベレンの塔は中に入らなくても良かったな、と心底思いました。

後で分かったのですが、リスボンの観光ではとにかく良く歩きます。一日中歩くと疲れて、体力の消耗は翌日にも響きます。ベレンの塔は確かに歴史的な価値の高いものですが、リスボンには他にも見どころが山のようにあります。体力温存という意味でも、時間のない旅行者はベレンの塔はパスするのが良いと思います。

ベレンの塔でガッカリした後、本命の「ジェロニモス修道院」に行きました。午後は朝の混雑が嘘のように、全く並ばずに入ることができました。チケットは「国立考古学博物館」でゲットしていたものを見せます。

「ジェロニモス修道院」の後、パステル・デ・ナタで有名なお店に行き、その後「海洋博物館」「ベラルド美術館」を見るという盛沢山な一日を過ごしました。

おすすめの観光ルート

上記の通り、筆者の残念な経験から、「仮にもう一度行くとしたらこうする」という、おすすめのベレン地区観光ルートを組んでみました。以下の順番で回ると効率的だと思います。

1.ベレンの塔


散々こき下ろしたベレンの塔ですが、全く見ないのは勿体ないです。朝一でまずベレンの塔に行くことをお勧めします。ベレンの塔の素晴らしいのは内側ではなく外側だと思います。せっかくなので外側だけ見にいきましょう。もし、行列が全くなければ中に入ってもいいね、くらいの気持ちでいいと思います。

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2.発見のモニュメント


1960年にエンリケ航海王子の500回忌記念で作られたというモニュメント。思っていたよりも巨大なモニュメントでした(高さ52メートル)。モニュメント自体は無料で見られます。人気があるポルトガル人(エンリケ航海王子、ザビエル、マゼラン、ヴァスコ・ダ・ガマ、そしてブラジル発見者のカブラル)は、テージョ川に向かって左側に居ます。午後は逆光になってしまうので、写真を撮りたいなら午前中に行くと良いです。

モニュメントには、エレベーターと展望台があり、ベレン地区を見晴らすことができます。エレベーターはあまり人気がなく、待たずに乗ることができます。2階にはトイレもあります。

発見のモニュメントがある広場には床に世界地図が描かれており、ポルトガルが到達した年が誇らしげに記されています。

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3.ジェロニモス修道院


ベレンの塔とは異なり、ジェロニモス修道院は予想以上の素晴らしさに、感動しました。筆者は午後1時頃行ったのですが、待たずに入ることができました。この時間帯になると、「国立考古学博物館」にも行列がなくなっているので、博物館で共通チケットを購入してから修道院に行くといいかもしれません。もし、まだ修道院が混雑しているようであれば、先に「海洋博物館」に行ってから修道院を見てもいいかもしれません。

なお、修道院内にトイレはありますが、女子トイレはとても混むので別の場所で済ませておくと良いです。

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4.パステル・デ・ナタで休憩


菓子屋「パステイス・デ・ベレン」には、ポルトガルで最もおいしいナタがあるという評判です。1837年創業のこの店に、筆者も足を運んでみましたが、驚くべき混雑ぶりでした。広い店内も満席で、大賑わいです。コーヒーでも飲んで休憩したいのに、行列に並んだら逆に疲れてしまいます。

店内は、注文していなくても勝手に見ることができます。製造工程も見られるようになっているので、ナタを食べない人でも店内に入って見学してみてはどうでしょう。

筆者は、もう行列は食傷気味でしたし、たかがお菓子を食べるのに貴重な時間を使いたくないと思い、隣にあるスタバで休憩しました。ついでに言えば、スタバにもナタが置いてあったので、スタバで初ナタを食べました(笑)

パステル・デ・ナタ専門店は、バイシャ地区のアウレラ通りなどにもありますし、わざわざ行列に並ぶ意味はないと思います。

5.海洋博物館


ジェロニモス修道院に隣接する博物館です。入り口には、巨大なエンリケ航海王子の像が鎮座しています。大航海時代が好きな人は絶対に行くべき博物館です。大航海時代の船の模型や、当時の地図、有名な人の肖像画(ジョアン2世やマヌエル1世)、日本刀や長崎の地図など日本に関連するものもありました。筆者は予想以上に興奮してしまいました。

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6.行かなくても良い?場所

筆者は、海洋博物館の後にくたびれた足を引きずって「ベラルド美術館」まで行ったのですが、この美術館が相当に期待外れでした。ピカソ、ダリなどがあると書いてあったので、期待していたのですが、おそらく各1点のみで、展示品の多くは名前の知られていないアーティストによる近代アートです。なんだか良くわからない模様や、線が描かれた絵が多かったです。美術館は嫌いなほうでは無いですが、ミーハーな筆者にはあまりに前衛的で楽しめませんでした。妻も同様の感想を抱いたようです。リスボアカードで、無料になるかと思って入ったら、30%オフだけだったのも誤算でした。

もう一つ、何度か書いた「国立考古学博物館」ですが、こちらはポルトガル誕生前の前史時代のツボのかけらなどが展示されていました。考古学好きの方は良いかもしれないですが、筆者はツボのかけらでは、あまり興奮しませんでした。リスボアカードで入場料無料だったからいいんですが…。

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