ポルトガル語が英語よりも習得しやすい理由

ポルトガル語と英語の違いを一つあげるとすれば、世界共通語か否かという違いがあります。そして、英語が世界共通語であるがゆえに、「流暢に話せなければダメだ」というプレッシャーのようなものが醸成されてしまうことが、日本人の英語力が伸びない原因の一つであると思います。

この点、ポルトガル語には英語よりも習得しやすい言語である理由が3つあります。

1.言葉を話せないことがプレッシャーにならない

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日本人がブラジルに行って、つたないポルトガル語を話したとしても、「ブラジルに居るんだから、ポルトガル語くらいちゃんと話せよ」というプレッシャーを感じることは滅多にありません。ブラジル人の多くは、こちらが一所懸命伝えようとした分、一所懸命聞いて、理解しようとしてくれます。最初はへたくそでも、数をこなしていれば次第に流暢な会話ができるようになってきます。

語学力が低いことによって、馬鹿にされたり笑いものにされたりすることは、どの国でもありますが、ブラジル人はその点に関してはかなり鷹揚な人種であると思います。

2.ポルトガル語以外通じない

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ブラジルは日本の22.5倍の広大な面積を有し、人口は2億人ほどです。小国が集まったヨーロッパなどと異なり、人生で一度も外国人と交流せずに死ぬブラジル人も大勢いるでしょう。ブラジルでは英語を話せなくても生きていけるため、英語を話せる人の割合は低い方だと感じます。

ヨーロッパからブラジルに休暇で来る人は、ブラジルで英語が通じないとわかっているので、1~2週間語学学校でポルトガル語の基礎を学んでから残りの半分を旅行に充てるという過ごし方をする人も大勢います。基本的には、ブラジルに来たらポルトガル語を話さざるを得ない環境になるので、嫌でもポルトガル語を目にし、話す機会があります。

また、ブラジルには世界で最大の日系人社会があるので、服装やふるまい等によっては日系ブラジル人だと思われることもあります。そのため、日本人の顔をぶら下げていても、ブラジル人は容赦なくポルトガル語で話しかけてきます。

ぼくは、よくブラジル人から道を聞かれるのですが、そんなことはブラジル以外の国ではあまり経験したことがありません。もっとブラジル人らしい顔をした人に聞けばいいのに、といつも不思議に思います。

余談ですが、以前、道を歩いていたら、ブラジル人から「あの、もしかしてあなた弁護士さんですか?」と尋ねられたことがあります。ぼくの顔から隠しきれない知性がにじみ出ていたせいだと思いますが、それにしても当てずっぽうにもほどがあります。

余談の余談ですが、ブラジル人はこちらが外国人であるとわかると、英語ではなくスペイン語で話しかけてくることがあります。「ボン・ジーア」ではなく「ブエノス・ディアス」、「ウン、ドイス、トレース」ではなく「ウノ、ドス、トレス」といった感じです。彼らにとっての外国語は英語ではなくスペイン語なのか?それとも、スペイン語もどきしか話せないのか?謎ですが、こちらが普通にポルトガル語で話しかけているのに、一生懸命スペイン語で会話しようとしている姿が微笑ましいです。(彼らは、たいてい途中であきらめてポルトガル語を話し始めます。)

3.ポルトガル語が下手でもポルトガル語で返してくれる

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英語が話せるブラジル人に、ポルトガル語で話しかけた場合、こちらのポルトガル語がへたくそであっても、ポルトガル語で返してくれます。海外で第二外国語を話した経験がある人なら、これが如何に語学学習に良い環境であるか分かると思います。

ぼくは海外旅行に行った時には、なるべく現地の言葉を数単語だけでもいいから覚えて話すようにしています。しかし、こちらが一所懸命、現地の言葉で話しかけたとしても、英語で返されるととてもやる気が萎えます。「クアント・クスタ?(これいくらですか?)」と聞いた時に「トウェンティ(20)」と返されるよりも、「ヴィンチ(20)」と言われた方が嬉しいです。

この点、ブラジル人は天性の優しさからか、こちらの下手くそなポルトガル語に付き合ってくれる人が多いです。