ブラジルでは漂白剤で妊娠検査するって本当?

スーパーなどで、アグア・サニタリア(Água Sanitária)という謎の物体を見かけます。良く目にするのは、サメ(Tubarão)の絵が書いてある商品。1リットル2レアル(約60円)と非常に安く買えます。
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アグア(Água)「水」サニタリア(Sanitária)「衛生の、トイレの」と言う意味なので、トイレの洗剤かな?と思っていたのですが、ブラジル人から、「アグア・サニタリアは、野菜とかフルーツを洗うのに使っている。」と言うのを聞いて、俄かに信じられませんでした。

まず、商品のサメの絵が、とても食品に使って良いようには見えません。また、商品の説明書きを読むと、トイレの洗浄、洋服の汚れを落とす等の用途が書いてあり、ますます食品用には思えません。調べて見ると、アグア・サニタリアは、水道水やプールの殺菌にも使用される「次亜塩素酸ナトリウム(Hipoclorito de sódio)」を水で2.0~2.5%に薄めた液体のことを言うようです。いわゆる、塩素系の漂白剤ですね。日本でも次亜塩素酸ナトリウムを利用して野菜などを洗浄することがあるようです。

ブラジル人に教わった野菜の消毒方法

ブラジル人は、アグア・サニタリアで野菜やフルーツなどの消毒をするそうです。水1リットル当たり、スプーン1杯のアグア・サニタリアを入れて、野菜などを洗います。10分ほど浸けてから、取り出して真水で良く洗います。

アグア・サニタリアは、プールの臭いがするので、個人的にはあまりこれで野菜を洗うというのは、気が進みません。アグア・サニタリアを使用するくらいなら、お酢を使って洗う方がよっぽど精神衛生上良さそうです。

お酢で野菜や果物の農薬を洗い落とす方法
野菜や果物は健康のために積極的に摂りたいですが、 特に「皮の部分」に栄養が豊富に含まれています。 皮のまま食べると良いものの例としては、 りんご、にんじん、しょうが、ナス、かぼちゃ等 しかし、野菜や果物の皮には農薬が付いている ...

コップや鍋が見違えるほどキレイに

そもそもこの記事を書こうと思ったのは、同僚のブラジル人が、マグカップにアグア・サニタリアを入れて、コップの茶渋を落としていたのがきっかけでした。コップにアグア・サニタリアを適量入れて、水で薄めて10分ほど浸けておくと、見違えるほどコップがきれいになります。

普段コーヒーを飲んでいるタンブラー。汚れが染みついていて茶色くなっています。
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アグア・サニタリアを入れて10分ほど置いた後のタンブラー。見違えるほどにキレイになりました。
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並べると、違いが良くわかります。
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見違えるように汚れが落ちるので、面白くなって、勝手にブラジル人の同僚のマグカップを漂白してしまったくらいです。

味噌汁用の鍋
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アグア・サニタリアで汚れを落とした後
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あまりにもきれいに汚れが落ちるので、この後、無駄にいろいろな食器の汚れを落としてしまいました。

妊娠検査薬としても使える?

ここから、ブラジル人のクリエイティビティがほとばしる事実を紹介します。嘘のような本当の話で、アグア・サニタリアを妊娠検査薬として利用するという話があるようです。

まず、コップに小便を入れて、同じ割合のアグア・サニタリアを加えます。もし、小便が過熱され温かくなったなら、妊娠している可能性が高く、単に泡立つだけの場合は妊娠している可能性は低いということです。色が濃くなったり、赤に近いオレンジになったりしたら、やはり、妊娠している可能性が高いとのこと。

この妊娠検査の機能が本当かどうか確かめた女性がいて、彼女はアグア・サニタリアは妊娠検査薬としては効果が無い迷信であるという結論を出していました。曰く、生理が来ないブラジル人女性が、安心したいという気持ちが作り出した迷信なのではないか、とのことです。
「アグア・サニタリアで妊娠検査ができる?(ポルトガル語)」

金髪をゲット

日本でもオキシドールで髪を脱色する人が居るみたいですが、ブラジルでは、アグア・サニタリアを使って髪を脱色するみたいです。ブラジル人ではないですが、あのレディー・ガガもアグア・サニタリアを使って髪を脱色しようとしたところ、頭皮についてしまい炎症を起こしたそうです。

「レディー・ガガ、髪の脱色に漂白剤を使い、頭皮を炎症させる(ポルトガル語)」

ブラジルでは、髪の脱色コストを安く抑えるために、アグア・サニタリアを利用する人がいるようですが、お金に困っている訳ではなさそうなレディー・ガガが敢えてアグア・サニタリアで脱色する意味が良くわかりません。

白い歯をゲット

Googleで良く検索されるフレーズが、自動で表示される機能がありますが、「アグア・サニタリア」で検索すると、検索候補として、「歯を白くする」というワードが出てきました。漂白剤を歯に塗って、白い歯をゲットしようということでしょうか。

「ヤフー!質問」というブラジルのサイトで、「TVでアグア・サニタリオを使って歯を白くしている人を見ました。めっちゃやってみたいんだけど、効果ありますか?」というアホな質問をしているブラジル人が居て、みんなの回答は次の通りでした。
「アグア・サニタリア??そんなことしたら、口の中が大変なことになるよ!」
「効果はあるけど、それは求める効果が自殺の場合ね。」
「身体に害を及ぼすだけでなく、歯も白くならないよ。」

8人の回答者が一様に「やめとけ!」と意外とまじめに回答しているのが面白かったです。ちなみに、アグア・サニタリアを顔に塗って、白い肌を手に入れるという記事もあったのですが、もはや馬鹿ばかしくなったので、読むのをやめました。

アグア・サニタリオの電灯

ブラジルには、アグア・サニタリアを使って、電灯を作る人が居ます。太陽光を反射することにより、電力を使用せずに部屋の中を明るくすることができるそうです。この電灯は、2001年にミナスジェライス在住の自動車機械工のアルフレッド・モゼー氏が発明し、2011年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の協力の元、フィリピンなどを初めとする15か国で導入されました。モゼー氏の発明は2015年時点で100万人もの人々の生活を助けることとなっています。
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作り方

  1. まず2リットルのペットボトルに、水を満たし、アグア・サニタリアを4杯入れます。アグア・サニタリアを入れるのは、水の中に藻が繁殖するのを防ぐ目的があります。
  2. 屋根に穴を開け、ペットボトルを差し込み、差込口をシリコンなどでふさぎます。
  3. この電灯は当たり前ですが、夜は機能しません。しかし、電気の届かない貧しい地域において、日中は部屋の中を非常に明るく照らしてくれます。電気のある場所の場合、電気代が30%ほど節約できるそうです。

「ペットボトルのランプは如何に機能する?(ポルトガル語)」