ブラジルで最も人気のない世界遺産

ブラジルには19の世界遺産がありますが、その中でもおそらく最も来客数の少ない世界遺産は、「セラ・ダ・カピバラ国立公園(o Parque Nacional Serra da Capivara)」だと思います。
serra da capivara

セラ・ダ・カピバラ国立公園の訪問者数が少ない理由

この世界遺産を訪れる人は、年間にたったの1万8千人だと言います。単純に365日で割った場合、一日当たりの訪問者数は49人です。ニッケイ新聞記事によると、イグアスの滝の訪問者数は、半年間で75万5千人(一日平均 4,100人)だというので、訪問者数は2ケタ違います。なぜ、この世界遺産はここまで関心が薄いのでしょうか。理由は2つあります。

アクセスが非常に悪い

ブラジルで最も貧しい州と言われるピアウイ州にあるこの世界遺産ですが、最寄りの空港は世界遺産から350kmも離れたペルナンブーコ州のペトロリーナ空港です。ペトロリーナ空港は、州都レシフェから飛行機で一時間西に行った場所にあります。サンパウロからだと、ペトロリーナに来るのに五時間くらいかかります。

その上、ペトロリーナから世界遺産への道が、3分の1くらいは未舗装の道や穴ぼこだらけのデンジャラスな道を超えていかなければならず、アクセスが非常に悪いと言えます。

ぼくは、この世界遺産に二回行きましたが、未舗装の道の途中で、うしやヤギに道をふさがれたり、轍に運転する車のタイヤを取られて車がスピンしそうになったりと、大変でした。冒険好きな人にはある意味楽しめるかもしれませんが、一般的に考えると、この世界遺産の魅力を損なう要因になってしまっています。

文化に関心を払う人が少ない

ぼくは、この世界遺産の最寄りの空港がある町、ペトロリーナに住んでいるのですが、このペトロリーナに何十年も住んでいる5~6名の人に「セラ・ダ・カピバラ国立公園に行ったことがあるか?」という質問をしました。

すると、彼らは異口同音に「ない」と言います。他に行くところが沢山あるというのならば、その答えも納得できますが、比較的近い場所で、見どころのある場所はこの国立公園を含めて2~3件くらいしかないのに、それでも行こうと思う人が少ないのです。

ブラジル人に聞くと、彼らはカルナバルなどで、踊ったり変装したりすることに興味はあっても、1万年前の人類が描いた壁画を見ることにはあまり関心を払う人が多くないからだろうとのことでした。「あんなところには、mato(森)しかない」と言って、価値を見出さないブラジル人もいます。

セラ・ダ・カピバラ国立公園に空港がオープン

2016年2月17日付のフォーリャ・デ・サンパウロ紙に、興味深い記事がでていました。件名は「見捨てられた世界遺産、セラ・ダ・カピバラ国際空港は名前倒れ」。

記事によると、建設に12年もの歳月を要したセラ・ダ・カピバラ国際空港は、四か月前に業務を開始したそうです。しかし、「国際」とは名ばかりで、実際には民間の小型飛行機が発着するのみで、国内便すら運行していない状態のようです。

現状、この空港を利用するのは、民間の小型機が月間平均で25機。乗客はたったの80名しか利用していません。利用者が少ないため、空港ターミナルは業務開始時から閉鎖されており、毎月のコスト15万レアル(4.5百万円)は州政府が負担しています。

空港を建設している間に国立公園の来客数は減少し続け、国立公園の職員数は270名から40名に減少しました。ぼくが、国立公園を訪れた際も、ほぼ貸切状態で、これが本当に世界遺産なんだろうかと信じられないほどでした。

超アクセスの悪い世界遺産ですが、機会があれば是非足を運んでみてください。

世界遺産セラ・ダ・カピバラ国立公園に行ってきました。
ブラジルの北東部ピアウイ州にはユネスコの世界遺産 セラ・ダ・カピバラ国立公園(Serra da Capovara)があります。 この国立公園は、「僻地」という表現がピッタリの場所にあります。 サンパウロから行く場合、ペルナンブー...
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ナメック星のような景色も楽しめます!
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