なぜ、ブラジルではジムのことを「アカデミー」と呼ぶのか?

米国のフィットネス協会(IHRSA)が、世界18か国を対象に行った調査によると、ブラジルは米国に続いて世界で2番目にジムが多い国だという結果がでています(IHRSA Global Report 2015)。2015年の調査では、ブラジル国内で31,800件のジムがあるという結果がでています。ちなみに、日本は4,300件だったそうです。

ブラジルの一人当たりのジムの数は日本の4倍?

確かに、ブラジルに住んでいると、「日本のコンビニかよっ!」って思うくらいジムを良く見かけるんです。31,800件と言われても、ピンとこないので日本のコンビニの数を調べてみました。JFAコンビニエンスストア統計調査月報によると、2016年5月時点で日本国内には54,000件のコンビニがあるようです。

国土面積が日本の23倍もあるので、そのままでは全然比較できないですが、日本のコンビニの6割に相当する数のジムがブラジルにはあると考えるとイメージしやすいでしょうか(わかりにくい?)。人口で考えると、ブラジルの人口は日本のおよそ2倍なので、ブラジルには人口あたりのジムの数が日本の約4倍もあるとも言えます。

ブラジルではジムのことを「アカデミー」と呼ぶ

ブラジル・ポルトガル語を学んでいて違和感を覚えた単語の一つが、「Academia(アカデミア)」という単語です。日本語でも「アカデミックな話題をする」といった使い方がされますし、一般的には「アカデミック=学術的な」という認識があると思います。

ブリタニカ国際大百科事典によると、そもそも、「アカデミー」というのは、プラトンがアテネの近郊にあったアカデモス神を祀る場所に、学術機関であるアカデメイアを開いたのを起源としています。17~18世紀には西洋諸国において学界の最高機関としてのアカデミーが形成されました。

ところが、ブラジルでは、「アカデミアに行く」と言えば、勉強に行くのでも、研究をするのでもなくて、一般的には、スポーツウェアを着てジムに体を鍛えに行くことを差します。

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ブラジル最初のジムは日本人が作った?

ブラジルにおける最初のスポーツジムは、ブラジルに帰化した前田光世(ブラジル名:コンデ・コマ)が1914年にベレン市に開いた柔道教室だったそうです。1925年には、リオデジャネイロでポルトガル人がダンベル等を使用するジムを始め、その後ブラジル中でジムが作られるようになりました。

1960年代になると、いわゆる筋トレの他に、バレー、ダンス、エアロビ、マーシャルアーツ等のコースが教えられるようになりました。1980年代には、体操、筋力トレーニングに関するアカデミーが設立され、テレビで体操競技大会の様子が放送されるようになり、アカデミーに対する需要も高まってきました。

ブラジルでも、多様な学科に関するアカデミーがありますが、「アカデミア」というと、なぜか「スポーツ・アカデミー」ないし、「スポーツジム」を連想するのが一般的です。なぜそうなったのかは分かりませんが、冒頭のスポーツジム数の世界ランキングを見ても分かるように、ブラジル人のスポーツジム好きが高じてそのようになったのではないかと推測します。