ブラジルでは小額紙幣の方が価値あり?

日本だと、100円のガムを買って1万円を出しても嫌な顔一つされず、9,900円のおつりを出してもらえるのが普通ですが、これは日本以外の外国では普通ではないということをご存知でしょうか?

おつりが無い

ブラジルでは、タクシーに乗って料金が20レアルだった時に50レアル紙幣を出すと、2~3回に一回の確率で「おつりが無い」と言われます。料金が22レアルだった場合には、ほぼ間違いなく「2レアル無い?」と聞いてきます。

日本には「お客様第一」という考え方があるので、この場合、タクシー運転手は当然のごとくおつりを用意しておくべきと思う人も多いことでしょう。しかし、ブラジルではサービスの提供者と享受者は対等であり、「タクシー運転手はおつりを用意しておくべき」という考えと、「客はおつりが出ないように乗車賃を用意しておくべき」という考えが共存しています。

10レアルで行けるような近場に行って、50レアルでも出そうものなら、タクシーの運転手から非常に嫌そうな顔をされることが多いです。従って、タクシーに乗るときにはある程度の小額紙幣(20レアル以下)を用意しておく必要があります。

ATMでお金をおろす

筆者はブラジルでお金をおろす時には、わざときりの悪い金額をおろします。例えば、300レアルをおろすと、100レアル札3枚が出てきますが、290レアルをおろすと、100レアル札2枚、50レアル札1枚、20レアル札2枚、10レアル札1枚が出てきます。引出額を290レアルにした方が小額紙幣を沢山もらえます。

以前、ATMに10レアル札しかなかった時に290レアル札をおろしたら、10レアル札が29枚出てきました。この時、なんだかとても得した気分になりました。購買力は変わらないのですが、小額紙幣の方が使い勝手がいいのです。ブラジルに住んだことのある方なら、この時の筆者の嬉しさについて共感できるかもしれません。

小額紙幣は使わずに取っておく

20レアル以下の小額紙幣は“貴重”なので、なるべく使わないように財布に忍ばせておきます。たとえば、タクシーの乗車賃が40レアルだった場合には50レアル紙幣を出して10レアル紙幣を“稼ぐ”ようにします。もし「おつりが無い」と言われた場合には、しぶしぶ“虎の子”の20レアル札を2枚出します。

小額紙幣を大量にゲット!

先日、とある事情により現金5,000レアルを引き出しました。ブラジルには通行人を誘拐してATMに連れて行き、現金を下させて奪う強盗があります(稲妻強盗)。そのため、筆者のATM引出限度額は一日1,000レアル(3万円強)に設定してあります。従って、5,000レアルを引出す際にはATMではなく窓口まで行きました。

一人で行くと、5,000レアルを引出すのを見ていた人が銀行を出た後に襲ってくるかもしれないという恐ろしいことを言われたので、会社の若い人に銀行までの送迎をお願いしました。

5,000レアルを引出す際に、受付の女性になるべく小額紙幣を混ぜるように頼みました。100レアル札だと50枚ですが、渡されたのは厚切りベーコンのように大量の紙幣が輪ゴムで巻かれたものでした。数えてみると、50レアル札が54枚、20レアル札が115枚入っていました。こんなに大量の20レアル札を手にしたのは初めてでした。20レアル115枚といっても、日本円にすると7,600円くらいなので大したことは無いのですが、なんだか裕福になったような錯覚を覚えました。

ブラジルがハイパーインフレだった80年代後半、ブラジルに住んでいた日本人の方が給与受取りの際に、当時の通貨であるクルザードをゴムで束ねたブロックで受け取っていたと述懐していたのを思い出しました。

インフレ大国ブラジル人特有の金銭感覚
ブラジルは1980年代後半から90年代前半にかけてハイパーインフレを経験しています。1990年3月には月間インフレ率が82%にまで達しています。安陪政権は年間インフレ率2%を目標にしていますが、90年のブラジルは「月間」インフレ率で82%でした。ハイ...